2007.01.15

2006年のWebシーン

イメージ:2006年のWebシーン

Design is Monthly ♯11
兼松佳宏(Whynotnotice inc.)

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早いもので1月ももう半ばになりました。今年もDesign is Monthlyをよろしくお願いします。

今回は、メールマガジン「Design is Daily」や、この連載で取り上げたWebサイトなどから、2006年のWebシーンで印象的だったサイトをまとめてご紹介します(すべてのリストはこちら!)。

やっぱり2006年は「動画の年」

ワールドカップに向けたNike「Joga Bonito」は、フランスの英雄エリック・カントナを軸に小分けのバイラルムーヴィを展開。見事に「美しいプレイ」をアジテートした。Las Vegas MGM Grand Hotel & Casinoは、映画のような大人の夜を眼前にして欲望をそそり、GzOneは圧倒的なシナリオで「マジェスティックタフ」の輝く未来へと導く。フォトグラファーであり映像作家でもあるKurt Stallaertのサイトでは、白黒の映像が言わずと作風を語る。

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Joga Bonito(左)とLas Vegas MGM Grand Hotel & Casino(右)

振り返ると、改めて「動画の年」だったなと感じる。iPodの動画対応とビデオポッドキャストの浸透、そしてYouTubeの大流行によって、動画ファイルをリソースとしてずっと身近に感じるようになった。バイラルを意識したムーヴィーをWeb限定で制作したり、メイキング映像をメインのコンテンツにしたり、目を引かせるインタフェースとして動画を取り入れたりと、リッチにチープにその使い方は実に様々だった。

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GzOne(左)とKurt Stallaert(右)

能動的な姿勢を持ってアクセスしてきたユーザーに対して、数十秒~数分という奥行きのある動画コンテンツを飽きさせずに見てもらうためには、どのような工夫が必要なのか。ますます動画が当たり前になってくる中で、映像としての面白みだけでなく設計まで含めたプランニングが求められてくるだろう。

広がりを見せる参加型コンテンツ

TIME誌が選ぶ今年の人は「あなた!」ということで、ブログやSNSなどのソーシャルメディアが一般化したのも2006年だ。その大きな潮流に遅れまじと、企業サイトに参加型のコンテンツがたくさんみられるようになった。その代表がワンメッセージの参加型コンテンツだろう。

マクセル「ネガイボシⅢ」やNTT西日本「つながるよろこび」など前向きなもの、東京海上日動「マングローブワールド」や国境なき医師団「FORGOTTEN WAR」といったソーシャルなものなど、ポジティブな声が集まりそうなケースが多い。当たり前なのだが、コミュニティのモラルが自然と保たれそうな「いい空気感」を生み出すモチーフがポイントとなるだろう。

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ネガイボシ(左)とForgotten War(右)

もう少し深いユーザーのコミットメントを活かしたCGM的キャンペーンも注目だ。ヒュンダイ「ヒュンダイどうだい?とりかえっこキャンペーン(公開終了)」は、マイカーと新車を実際に交換して試乗してもらい、感想や満足度のデータベースをメインコンテンツとした。恒例の「新潮文庫の100冊」キャンペーンでは、どのような本が読まれているかがわかる、ソーシャル本棚サービス「100冊ビューワー」が人気となった。

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新潮文庫「100冊ビューワー」

CGM的コンテンツは運営も大変だろうし、実際の売り上げにそこまで結びつくのか、新たな効果測定の指標がは確立していない。それでも「あら、Webってこんなことまでできるのね」とWebの楽しい可能性を一般の人たちまで広めた功績は、かなり大きいではないだろうか。

ネット×リアルのこれから

僕自身「Webってこんなことまでできるのね!」と思った事例も紹介しておこう。「SEITE*1 GIRL」、「Mobile Phone Shooting Game」、「Plagger」だ。

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SEITE*1 GIRL
  • SEITE*1 GIRL
    ファッションブランドのランジェリーをまとったエロティックなモデルをショーウインドウに投影し、Webカムで撮影された町の人々のリアクションを覗こうというコンテンツ。なんとWebからリアルタイムでモデルを操作できる。そのフィードバックがまたネットにアップされて瞬く間に世界で共有されていく。
  • Mobile Phone Shooting Game
    TYO Interactive design Inc.のごあいさつコンテンツ。ケータイ電話をかけて遊べるインベーダーゲーム。コールすると寝ているキャラが起き上がって、ミサイルを発射してくれるのだ!とてもじれったいのに、今までにとったことのない行動とともに感じたことのない興奮がそこにある。
  • Plagger
    それPla」がバズワードとなり、「Googleで“はらへった”と検索するとピザが届く」くらいの画期性は、次のライフスタイルのありえそうな一端を、夢を持って見せてくれた。いろいろなもののボーダーをあっさり越えて、PCだけじゃないWWW世界が現実味を帯びてきている。

2007年注目のクリエイター

2006年は North KingdomThe Vodafone JourneyOn Toyota’s mind.ABUSOLUT.COMなど)やBIG SPACESHIPNIKE AIRThe Da Vinci Codeなど)といった、リッチなコンテンツに強いプロダクションが活躍した一年だった。最後にさくっと、今年注目しているクリエイターを挙げてみよう。

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neave.com(Paul Neave)
  • Paul Neave
    イギリスのインタラクティブ・デザイナー。クリエイティブなYouTubeを垂れ流しできる「neave.tv」やNASAのデータも組み込まれた地球ブラウザ「Flash Earth」など、データのアウトプットに一癖あってイイ感じ。
  • MEKANISM
    サンフランシスコのデザインエージェンシー。ストリートのノリで、マイクロソフトのClearificationなどバイラルキャンペーンを手がけている。
  • ROXIK
    フリーランスのデザイナー、城戸雅行さん。PICTAPSに一目ぼれ!
  • qubibi
    フリーランスのデザイナー、勅使河原一雅さん。Weave Toshiの世界観に脱帽。CBCNETにインタビューも!

今年もよろしくお願いします!

2006年は、驚き&新鮮!というよりは、メディアとしての成熟を感じた一年だった。日本のWebサイトが多くなったのも、僕自身の生活の一部に「やられたな~」と感じるバイラルなプロモーションが、体感として増えてきたからだろう。

なんとなく今までのデザインポータルだけではリソースとして物足りない。デザインやテクノロジーだけでなく、マーケティングやビジネスなどなど新たな視点やフィルタが必要なのかもしれません。それでも、パッと2秒みただけでも見入ってしまうような、内容を理解するでもなく気になるドキドキする事例を楽しみに、これからもあれこれdigっていきたいと思ってます。

(Whynotnotice.com 兼松佳宏)

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兼松佳宏さんプロフィール

デザイナー/デザインジャーナリスト。「ソーシャル・クリエイティブ」をテーマに、NPOのコミュニケーションツールのプロデュースに関わる。現在「デザインは世界を変えられる?」を掲げて Web Designingで連載中。他にもCBCNET、Shift、Design Quarterly、MASSAGEなどにライターとして参加してます。
http://www.whynotnotice.com/
http://www.whynotnotice.com/blog/yosh/
http://trigg.jp/
http://greenz.jp/

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