最近まで頑張ってクーラーをつけてなかったのですが、遂にドライのスイッチを入れてしまったDesign Wedge 原です。今週末は沖縄に行ってきます。…といっても、ただ遊びに行くわけではなく、CSS nite OKINAWAへ参加したり、プチ開発合宿を行ったりといろいろと仕事方面でも頑張ろうと思ってます。
ここ最近のメインテーマは、旅と仕事の両立だったりします。ある意味、海外サイトを見て歩くのも、旅の一種といえますね。
さて、今回はちょっとしたUIの小技が光るサイト5選というテーマで、ページ内で使われている様々なUIで、ちょっと新しい感じを受けるものをお届けします。ちょっと前に話題になったサイトもいくつか登場しますが、話題になった部分とは別の角度から見るとまた新しい発見があります。

Lacoste 75th anniversary - Let's reinvent the game
近未来的なナビゲーションとざらりとしたノイジーな映像が魅力で取り上げられていたラコステの75周年サイトですが、派手に展開される派手なコンテンツに隠れてUI関連の工夫が存在します。
以前よりFlashコンテンツで巨大なコンテンツを表示する場合は、ナローバンド用、ブロードバンド用という区別があり、近年では、光回線を持つ人用とADSLクラスの回線速度を持つ人用の選択肢に分かれていることが多くなっています。
通常、これらの選択を行うのはムービーの開始時のみでしたが、このサイトではいつでも変更が出来ます。FlashにユニークURLを持たせるSWFAdressというライブラリと組み合わせて使用することで、再生を初めてみて、回線がちょっと遅いかもしれないと思ったときはすぐに別の回線環境用のコンテンツに変更することが出来るようになっています。

URTD.NET
Webページというのは、情報の塊です。Webページ内に存在するであろう情報というものは、ナビゲーションの都合上、ビジュアル的に隠れていたとしても、そこに存在していることで完全な情報となりえます。
例えば、HTMLにおいて、タブ切り替えのナビゲーションをAjaxで実現させる場合、タブをクリックするまで表示されないコンテンツであっても、HTML上では、マークアップされて存在しています。同じように、画像もまたそれぞれが完全な形で存在していることも重要であるということが出来るかもしれません。
画像が積み重ねられた表現を行う場合、一枚の画像として積み重なっている状態を画像で書き出してしまうことは簡単ですが、重なった部分の情報が失われてしまいます。このサイトのように、実際に重ねてしまうというコーディング手法を行うことで、情報として完全になるといえるのではないでしょうか。

volll
このサイトもその美しいビジュアルセンスによって、今年の頭に取り上げられていました。多くの人は星や雲、船や宇宙人などから、フルFlashのサイトと思ってしまうかもしれません。確かにFlashは使われていますが、NEWのマーク部分だけです。波や雲、星などはHTML上に書き出されており、JavaScriptによって高速に書き換えられています。
Flashのようなアニメーションとナビゲーションを実現したHTMLサイトという見方も出来るわけですが、本当の魅力は、羊や宇宙人やパラソル、灯台の入り口などをクリックした際に行われるちょっとしたアクションにあると思えます。
HTMLだけで出来たリンクくらいしかアクションのないWebページから、Ajax系のUIを使ったリッチなUIが普通に使われることで、ネットユーザーのクリックできる対象のリテラシーも上がったと言えます。しかし、そのリテラシーをちょびっとだけ裏切るクリック出来な無そうなものが、ちょっとだけアクションをするというのは、通常のWebページに本来用意されているアクション以上の期待感をもたらしてくれるはずです。

Baritchi Holding
HTMLベースのWebページのビジュアルデザインにおいて最後のフロンティアは、きっとフォーム部分になると思ってきました。つまり、ポップアップメニューであったり、コンタクトフォームであったりです。ブラウザのデフォルトのフォームを使用することが、ユーザーの利便性も高いと言えるでしょう。
Flashと違い、あらかじめベストアンサーに近いフォームが用意されているHTMLでは、そのまま、もしくは少しフォームのデザインをいじる程度のほうがユーザーにも優しいはずです。
では、どんな場合にフォームのデザインを頑張ってカスタマイズしたほうがいいのか? という答えがこのサイトにはあるような気がします。
トップページにあるスムーズなロールオーバーや、各コーナーで使われているスライドなどはライブラリを使用して作られた手軽ではあるけど、美しい効果をもたらすものです。これらのリッチなUIが続いた後にアクセスされるであろうコンタクトフォームは、どういうルック&フィールでなければならないのか? ということを考えてみると、このフォームのデザインが正解な気がします。

Letters & Numbers
Letters & Numbersのサイトは、ちょっとユニークなナビゲーションを使用しています。このサイトは、いわゆるフンドシ型と呼ばれる1ページに全てのコンテンツがあるタイプのサイトですが、そのコンテンツは最初の状態では隠されています。
画像があるであろう箇所をクリックするか、右上のメニューをクリックすると、初めて画像がダウンロードされ表示されます。後は青色の左右の矢印でコンテンツを移動して閲覧します。ただし、左右の矢印を押してスクロールするのは、現在閲覧中のコンテンツのみです。
コンテンツのサイズと名前は知っているが、隠されているという状態は、メニューとサムネイルはあるけどコンテンツは次のページという状態よりもわくわく度が高いといえるかもしれません。
再び告知
前回も紹介しましたが、「Flashでデザイン 差がつくBlogサイトの作り方」という本が3刷まで行って、その後改訂という流れになりました。「Flashでデザイン 差がつくBlogサイトの作り方 セカンドエディション」という名前で出てます。
改訂するからには、思いっきり遊ぼうということで、単に解説が並ぶだけの本文に加え、新しくキャラクターを考え、そのキャラクターが欄外でいろいろとごちゃごちゃしゃべるという、演出を加えました。
それだけじゃなくて、今回は5章のFlashBlog応用編にて、様々なゲストを招いてFlashBlogを披露していただいてます。FlashBlogも多彩で、フォトアルバムや携帯用Blogビューワー、スケジューラー、外部APIとの連携、Wii対応動画Blogなどなど、そこまでFlashBlogで作るか!というぐらいの11サンプルを収録しております。
サポートサイトもよろしくお願いします。
あとがき
海外のサイトを見て歩くという仕事をするきっかけになった、Design Wedgeを創刊していつの間にか10年が経過してしまいました。これからもがんばっていこうと思いますので、よろしくお願いします。それから、もっとDesign Wedgeを大事にしないとなって思いました。
関連リンク
WDRDW:海外サイトデザイン探訪 バックナンバー
Lacoste 75th anniversary - Let's reinvent the game
URTD.NET
volll
Baritchi Holding
Letters & Numbers
Flashでデザイン 差がつくBlogサイトの作り方

『Flashでデザイン 差がつくBlogサイトの作り方 セカンドエディション』サポートサイト
原一浩さんプロフィール
1998年にウェブデザイナーとして独立(karadesign)。同年、ウェブデザイン専門のメールメディア「Design Wedge」を発行開始。ウェブデザイン業務の傍ら、海外のウェブデザインに関する情報発信、研究、開発を行う。2006年株式会社エフエックスビイ設立。「Web Designing」や「web creators」など雑誌への寄稿多数。「Web検定」プロジェクトメンバー。SHIFTにて3年間クールサイトレビュアーを勤めた。最近は映像制作とフレームワークに夢中。
http://www.karadesign.com/
http://www.karadesign.com/designwedge/
http://fxb.jp/
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