※(X)HTML、CSSの参考書(前編)はこちらです。
発展段階の参考書
実際に制作された事例の中から、さらなる高度なスキルを身につけたい場合は、『Web Designing』誌における大藤さんの連載をまとめた、この一冊がとてもいい刺激を与えてくれます。
発展段階に入ると、標準に準拠していない UAの実装にまで配慮せざるを得なくなることが間々あります。より多くの人に対するアクセシビリティを確保する方法、よりメンテナンス性の高い設計といった面にも配慮しながらの模索になります。
本書は、ただ先端事例における特徴的なテクニックを紹介するだけではなく、それぞれのテクニックの利点と欠点に触れ、必要に応じて、批判と代替案の提示も行っています。その意味で『実践Web Standards Design』>の福島さんの tips パートと共に、とても中身の濃い tips 集になっています。
ただ、先端事例の tips というのは、時間と共に風化していきやすいものですから、そろそろ続編を期待したいところでもありますね。
そして原点回帰
スキルの段階に応じて、時々、原点に立ち返ってみることも重要です。今まで知識として知っていたに過ぎない事柄でも、理解が深まって応用範囲が広がったり、新たな発見につながったりすることって、よくありますよね。
本書は7年前の出版にもかかわらず、いまだに現役で通用する古典的名著です。情報の構造化や意味づけ、情報デザイン、アクセシビリティやユーザビリティにいたるまで幅広く扱っていますが、古くなるのは末端の手段であって、根源的な目的や考え方は、そうそう大きく変化するものではないということがよくわかります。
また、分かったつもりになってスルーしている知識が、いかに多いかも再認識できるはずです。象徴的なのは、ハイパーリンクだけでまるまる一章を割いている点。(この辺は、セマンティックウェブなどの知識表現に強い関心を持つ、神崎正英さんならではですね)
内容的には上掲書と比べれば、基本事項が大半ですし、初学者にもわかりやすいよう、配慮して書かれてはいます。ですが本書はむしろ、ある程度 HTML や CSS に習熟した段階で読むことをオススメします。余談ですが、神崎さんの以下の著書も、セマンティックウェブに関心のある方にはオススメです。
もちろん、仕様書もお忘れなく
最後に仕様書。拠って立つ原典です。本来、これがもっとも重要な文書になりますので、訳文でも良いので一読を強くオススメしたいところです。
ですが、やはりこれも(粗読みならともかく)精読するのは、ある程度 HTML や CSS に習熟してからの方が良いと思います。(それまでは益子さんの『教科書』で代用)というのも、あまり頭からガチガチに仕様書を従うべき聖典のように扱ってしまうと、かえって応用力を削いでしまうからです。
以前、仕様書にも must, should, may の使い分けがあるという話をしました。この辺も踏まえて、「なぜ、仕様書にあるようなモデルになったのか?」、「なぜ、その方法が推奨されるのか?」といったことを考察できるだけの余裕が出てきてからでもいいと思います。
関連リンク
一歩先のWeb標準 バックナンバー
世界の「最先端」事例に学ぶCSSプロフェッショナル・スタイル
実践Web Standards Design―Web標準の基本とCSSレイアウト&Tips
ユニバーサルHTML/XHTML
セマンティック・ウェブのためのRDF/OWL入門
HTML 4.01 Specification
XHTML 1.0 Specification
CSS 1 Specification
CSS 2.1 Specification(2007年9月現在、勧告候補)
Web標準の教科書―XHTMLとCSSでつくる“正しい”Webサイト
ゆうさんプロフィール
ブロガー(我的春秋)。リアルな世界では研究職(知識ベース分野)、PM やフロントエンドエンジニアリング、講師(大学)、テクニカルライティングなどを転々とつまみ喰い。
http://my-chunqiu.cocolog-nifty.com/
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