2008.02.21

「つくりかた」をつくる

イメージ:「つくりかた」をつくる

じんわり効く、漢方薬系Web談義 ♯15
井浦むつお(ヒキダス)

バックナンバー

Webのお仕事。関東(主に東京)と関西の違いが話題になると「関西での仕事はやりがいありますね」こう口にする人が周囲には少なくありません。役割が明確な東京と比較して、企画からトータルで関われて面白い関西、大約するとそんな感じです。

ただし、ある共通する一つの不満にはねかえるようで… それは 「仕事がスムーズに進まない」こと。

スムーズにすすまないストレス

デザインを決めるつもりがアクセス解析の話になった。更新ルールを決める段階でビジュアルのやり直しを相談された。CMS構築に入ったところが「無料ブログでもできたんじゃ?」…などなど。

思った通りに進んでゆかない“ストレス”。一度や二度ではないですよね。まあ、夫婦喧嘩もあるくらいですから、避けて通れないのが世の中でしょうが、歴史が浅く、変化が早い世界ほど顕著に出てくるのは間違いありません。Webはそのひとつです。

やり直しが辛い…そうこぼすデザイナーによく出会うのも仕方がないのかもしれませんね。

なぜスムーズに進まないのか → 「価値観を共有できない」から

これらストレスはひとつの悩み「仕事の価値観が共有できない悩み」に要約できます。もしあなたが制作者であり決定者ならば、つくり終えた時が納品です。やり直しなどあり得ません。制作者や決める人が違う、価値観が違う物差があるからこそ起こるものです。

さて、やり直しについて。修正が多く、終わらない仕事が好きな人はいません。そんなときどうします?

  • ?強い人に来てもらう?
業界で有名な人がいるだけでスムーズに進むこともあります。判断がゆらぎがちなものほど効果があります。用心棒みたいなものでしょうか。。。
  • ?選択肢を拡げる?
たしかに決まりやすいこともありますが、同時に危険でもあります。なぜか。制作者のみに負荷がかかっても周囲の人は楽なのです。だから習慣化しやすくに、他の説得法を考えなくなるといえます。他に探求しなくなる点が危険なのです。
  • ?望ましい仕事の仕方を説明する?
まっとうですし、望ましい仕事の流れに関する良書もたくさんあります。大切なことですが、本当にうまくいったか? そもそも先方が話を聞いてくれなくて? いわゆる「わかっちゃいるけどなかなかできない…」類いになれば問題です。優等生解答は説明を聞く側、クライアント側が苦しいからです。

うーん。。。。。どれもイマイチですよね。では、どうしましょう?

お薦め書籍:新・Webデザインワークフロー

新・Webデザインワークフローつくりかたのノウハウは知恵になります。業種や構築規模で差はありますが、仕事の仕方についての本は読んでおくべきです。

他に、「ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブックWebディレクション」とか、同「Webデザイン」なんかも参考になります。

どうすればよいのか?

「価値観を共有」するには、どうしたらいいのでしょう? 王道はなく、意外に普通のことにヒントがありそうです。

  • 世界観の差を真剣に“体験”する
目の前の食べ物を理解する最もよい方法は、実際に食べてみることです。発注側を体験してみればいいのです。

ふだんの買い物でもスムーズ、またそうでない場合がありますね。つぶさに観察していると、決して選択肢の豊富さや説明の丁寧さだけが差を決めてないはずです。自分に知識がある場合は相手に補助を求めるし、不得手な場合には時間をかけてほしい。自分の立場に即した購入プロセスを理解してくれているときがスムーズなはずです。

頭ではなく体で覚える。ここが前述の「望ましい仕事の仕方を説明する」と違うところです。解答はそれぞれの中に蓄積されてゆくので次第に慣れてくるものです。
  • 共感を得る尺度を考える
ある不動産屋では購入決定が早い。しかも、立地条件が悪くても満足しているお客様は少なくない。理由は話のテーマ、「節税を中心に薦めたから」ことが購入決定に結びつく点だったりします。

事業をやられている方は特にわかると思いますが、家の購入で気になることは構造やデザインとは限りません。上手に買えるかどうか、ストレスがなく購入できるかどうかを問われています。お互い、知識の差はあれど、誰だって損したい人はいません。損得など、共感が得やすい尺度を考えると話が通じやすくなります。

平素、私たちには馴染みがあるだろうリスティング広告さえ、まだ通じない時もあります。多様化の昨今、当然でしょう。どんなメリットがあるのか、もしあったらどうなるか、あたかも体験するかのようにいなせれば興味や動機もわいてくるものです。

ちょっとひと休み

はてなの「はてなってなに?」というコンテンツ。日常生活のシーンで、はてなの各サービスをわかりやすく説明すると、生活と照らし合わせて理解できます。手法は珍しくありませんが、いま適当な伝達手段だと判断したことにリスペクトですよね。

  • ゴールへの到達プロセスを楽しむ
子供のときなら「買って!買って!」と泣けば通っても、大人になると説得するには理由がいる。そもそも、他人にわかってもらうこと自体骨の折れることなのです。

だから、最大の秘訣はこれです。楽しむこと。練習は骨が折れる。うまくなりたいと思えば今日も走れる。ダイエットはつらい。しかし、痩せた姿を想像するとやれるし、工夫するものです。理由があれば楽しいし、楽しめるかどうかは他人ではなくすべて自分の裁量です。

辞めるのはすぐにでもできますが、続けることは想像以上に難しいです。楽しめないとやってゆけませんし、楽しめる人はどんどん強くなります。Web構築をトータルで関われるならば、シュミレーションゲームをやるかのように思い込むのはいかがでしょう? 仮に不謹慎といわれようが、あなたは必ず強くなれます。
(ヒキダス 井浦むつお)

関連リンク

じんわり効く、漢方薬系Web談義 バックナンバー
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ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブック3 Webディレクション(Web検定)
ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブック2 Webデザイン(Web検定)
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井浦むつおさんプロフィール

印刷デザイン会社に勤務後、同僚とWeb構築会社「ヒキダス」をスタート。Web担当者の悩みをひきだし、参謀役になれればと願う。Webマーケティングからデザイン、システムまでオールラウンドで引き受け、小さくてもエッジの効いた会社を目指している。
http://www.hikidas.com/

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