2008.01.24

「つくりかた」を考える

イメージ:「つくりかた」を考える

じんわり効く、漢方薬系Web談義 ♯14
井浦むつお(ヒキダス)

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のっけから質問。デザインするとき、または何かものをつくるとき、つくりかたを真剣に考えたことはありますか?

長年いろんなクリエイターさんをみてきて、共通することがあります。クリエイティブな人は、みな仕事が合理的です。理にかなった仕事のしかたをします。本当に必要な仕事をする癖がついているせいか、常により良いコンディションを持続できます。

「つくりかた」は「つくること」以上に極めて重要です。ほんの一握り中の一握りの天才は除き、一人でできる仕事はほぼありませんね。時間も、みな平等に限られています。人と、常に良い状態で仕事をすること。美しいプロセスで仕事をすること。つくりかたは一生学習でき、クリエイティブに結びつく源なのです。

つくるものは無数、つくりかたは一本道 ~合理的につくる~

デザインの受注。納品は本来とてもスムーズなはずです。ところが、行っては戻り、またはぐにゃぐにゃと曲がりくねってゴールへ進む。多かれ少なかれよくあることですが、重要なのは納品は一つ、つまりゴールは一つだということ。ならば、最もクリエイティブなのは最も早い道、合理的な道のりを進んでいるときということになります。

デスクトップが散らかっていて、常に何かを探していた。何案も提案した後、しどろもどろになって、なんとかこじつけて納めた。愚痴のひとつも出てきますが、本来、合理的にいけば一本道を突き進み、もう次の準備に入れ、ゆっくりと充電もできるはずなのです。

合理化と効率化 ~その違い~

合理化は効率のみを押し進めることとは違います。一見混同しがちですが、効率化は手段であり目的とはなりません。

優秀な工場は短時間により多くの製品をつくるべく効率化されています。必要な場所に必要なものがあり、1分1秒を無駄にしないように設計された工場のラインは“芸術”的ですらあります。かたや、有能なクリエイターの机やデスクトップは非常に個性的です。一見、寸分の隙もなく整頓されていたり、雑多に散らかっていたりと、ばらばら。

しかし、クリエイターにとって必要なものが必要なときに力を発揮できるようにチューニングされているのです。意識的か、無意識的かはともかく。

合理化と効率化の違いは、建物(合理化)と煉瓦(効率化)に例えてみましょう。煉瓦が建物のデザインを決めることはありませんね。しかし、煉瓦の品質が良ければ、安心して設計だけに集中でき、結果的には美しく丈夫な建物ができあがります。煉瓦を考えることが建物を考えることではないように、効率化は合理的な工程をつくりだす努力のひとつなのです。

お薦め書籍:「挫折しない整理」の極意

「挫折しない整理」の極意 (新潮新書)モノは「出して、使い、しまう」というプロセスで活かしてこそ価値が生まれる。いわゆる「~術」的なものではなく、整理する意味を考えさせてくれます。軽く読めながらも、整理の概念はおそらく変わるのでは。

つくりかたひとつで、すべてを失う

本来、わたしたちは合理的にできています。

  • 同じ買うなら、価格が安い店がよい。
  • 同じ買うなら、近くの店がよい。
  • 同じ買うなら、好きな店で買いたい。

あてずっぽうで買っても良さそうなものですが、最も良い結果を得たいがために、多くは比較しながら行動します。さて、次は文頭に「同じ売るなら」をつけて読んでみましょう。

  • 同じ売るなら、リーズナブルさ(価格)が問われる。
  • 同じ売るなら、至便性を問われる。
  • 同じ売るなら、ブランド力(信頼)を問われる。

あなたが何かを売る立場にたった場合、とたんにこのように逆を問われるのです。売る=ビジネス行為に例えれば、あなたのクリエイティブの「つくりかた」や「すすめかた」がキーになることがわかりますね。作業行程を見直せば価格に競争力を持てるかもしれないし、進捗をきちんと伝えクライアントを安心させ信頼を得ることもできるでしょう。

かたや、何も考えなければ失うものは膨大です。行程を見直さず何度も何度もデザイン案に没頭…、連絡をけちって担当者の理解が進まず、結局最初から仕切り直し…。私も何度も経験がありますが、お金と時間を奪われ、本来のクリエイティブに時間が割けず、それが実力と判断されてしまい…。わたしたちが合理的にできているゆえの悪夢の連鎖ですね。

いまほど合理性が問われる時代はない

言うまでもありませんが、これまでの話はWeb構築でもなんら違いはありません。

現代はその気になれば徹底的に調べることができ、みな調べるのが大好きです。検索エンジンの勃興が如実に物語ります。調べると、よりよい結果が得られると思うから、今日もみな検索窓にキーワードを打ち込みます。制作面で多大な合理性が求められます。

ここはひとつ、つくり方を真剣に考えなおしましょう。繰り返しますが、つくりかたは一生学習できる、クリエイティブに結びつく源です。いまほど合理性が問われる時代はありません。ここはひとつ、つくり方を真剣に考えなおして絶対損はないと思いますよ。

(ヒキダス 井浦むつお)

関連リンク

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井浦むつおさんプロフィール

印刷デザイン会社に勤務後、同僚とWeb構築会社「ヒキダス」をスタート。Web担当者の悩みをひきだし、参謀役になれればと願う。Webマーケティングからデザイン、システムまでオールラウンドで引き受け、小さくてもエッジの効いた会社を目指している。
http://www.hikidas.com/

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