2008.04.24

アックゼロヨン・アワード2007レポート

イメージ:アックゼロヨン・アワード2007レポート

シークレットゲストとして麻生太郎氏も登場した、アワードのグランプリ発表・表彰式(2008年4月23日:東京国際フォーラム)の様子をお届け。

アックゼロヨンは、2004年にスタートしたWebのアクセシビリティとクリエイティビティを考えるフォーラム。優れた取り組みを行ったWebサイトを表彰するアワードを実施しており、withDもアワード2006で入賞している。

第3回のアワードとなった「アックゼロヨン・アワード2007」は、日本ウェブ協会の主催となり、アクセシビリティとクリエイティビティの両立はもちろん、その上で実際に成り立つコミュニケーションに注目して、優れたコミュニケーションを実践するウェブサイトの入賞作品が発表された。そして、その中からグランプリと各賞が選ばれ表彰となった。

一次審査員、最終審査員について詳しくはオフィシャルサイトにあるとおりだが、以下の考えによる選出だという。

  • 一次審査員:Web制作のプロフェッショナル
  • 最終審査員:加えて、より社会的な立ち位置からWebをとらえる有識者

では、応募作品187点から選ばれたグランプリ作品、各賞を紹介する。

グランプリは、モリサワ コーポレートサイト

  • サイト権利者:株式会社モリサワ
  • 制作:株式会社アクシス
モリサワ コーポレートサイト

グランプリに選出された、モリサワ コーポレートサイトの選出理由は下記の通り。なお、同サイトは内閣総理大臣賞も同時受賞の栄冠となった。

最終審査は、Webサイトの目的がどのようなアプローチでどれだけ高い次元で実現されているかを審査した。モリサワのWebサイトは、「自分たちは何者であるか」ということが、同社の特性を活かしたわかりやすいアプローチで大胆に表現されていたことが印象的だった。

荒井尚英氏(最終審査員長/特定非営利活動法人日本ウェブ協会 運営委員長)

各部門賞、スポンサー賞、特別賞の受賞結果

各部門賞の受賞結果は以下の通り。なお、受賞作品の中から大臣賞が贈られた。

  • コーポレートコミュニケーション部門
企業情報サイト、IRサイト、PRサイト、CSRあるいはCIやVIを踏まえたコーポレートブランディングなど、企業とステークホルダーとのコミュニケーションを支援しているWebサイトを表彰。
西村あさひ法律事務所 ソフトバンクグループ通信3社2009年度新卒採用サイト

・金賞(左):西村あさひ法律事務所
・銀賞(右):ソフトバンクグループ通信3社2009年度新卒採用サイト

  • セールスプロモーション部門
消費者等に対する需要の創造やブランド醸成などを行い,販売促進につなぐためのコミュニケーションを表現しているWebサイトを表彰。
郵便年賀.jp THE ACADEMY OF SMIRNOFF ROAD

・金賞(左):郵便年賀.jp
・銀賞(右):THE ACADEMY OF SMIRNOFF ROAD

  • エレクトロニックコマース部門
B2B、B2C、C2Cなど、電子商取引を通じてコミュニケーションを実現しているWebサイトを表彰。
Tagle

・金賞:Tagle
・銀賞:該当なし

  • アカデミック・エデュケーション部門
さまざまな分野の学問や知識を伝え,教育・知育の観点からのコミュニケーションを実践しているWebサイト,eラーニング事業の実践サイトを表彰。
台風前線2

・金賞:該当なし
・銀賞:台風前線2

  • 公共・地域振興・その他のコミュニケーション部門
社会や地域,あるいはその他のコミュニケーションの促進・活性化を図るWebサイトを表彰。
みんなで!山陰 WIRED VISION

・金賞(左):みんなで!山陰
・銀賞(右):WIRED VISION

  • スポンサー賞

・アドビ システムズ賞:サッポロビール
・Jストリーム賞:あなたの近くにある会社
・インターウォーブン・ジャパン賞:花王株式会社 製品情報サイトリニューアル

  • 特別賞

・チャレンジド賞:C-Music
・奨励賞:emo[エモ] - ブログを書いたら自分がわかった!

最終審査総評とアワード2007の総括

今回受賞された方々篠原稔和氏(最終審査員)からの最終審査総評は以下の通り。

「海外に行くと、日本のWebサイトに対しては“操作性の不統一”や“リアルな各種情報がデータ化されていない”という、日本のWebサイトの取り組みの遅れについての指摘をよく聞く。今日の審査結果からは、そのような従来の課題を乗り越えようとする取り組みが数多く見られ、期待できる。アカデミックな分野、地方発のWebサイトに取り組みの好例が見られ、印象的だった」

荒井尚英氏(最終審査委員長)からのアワード2007の総括は以下の通り。

「今回のアワードは、昨年よりレベルが高くなっていることを実感した。来年はさらに応募作品のレベルが高くなることを期待したい。Webサイトは知覚的部分・工学的部分・視覚的部分を提供する工業製品的なもの。国民の生活を豊かにするインフラであるという意識を持ち続けていただきたい」

両氏のコメントからは、広告賞とは異なる本アワードの「優れたコミュニケーションを実践するウェブサイトを表彰する」意義を強く感じることができた。

パネルディスカッション、シークレットゲストは麻生太郎氏が登場

昨年のアワードでもプレゼンテーターとして登場し、会場を沸かせた麻生太郎氏だったが、今年はパネルディスカッションのシークレットゲストとしての登場となった。

Tagle

ディスカッションというよりは、麻生氏とのオープントークという趣きとなったが、印象的だったのは政治家としての麻生氏の「言葉の力」、そしてビジネスとしてみた「高齢者マーケットの可能性に対する眼差し」だった。

麻生氏は、高齢者の特徴として以下の4点から、いかにこのマーケットが可能性があるかを述べた(カッコ内は筆者補足)。

  • お金をもっている(5人に1人が高齢者だが、貯蓄高は半分を占める)
  • 元気
  • ヒマ(時間に余裕がある)
  • さびしい(対人のコミュニケーションを欲している)

日本のビジネスはこの非常に魅力的なマーケットを開拓できておらず、消費が循環できない(カネがまわらない)社会となっている。高齢者向けのWebサイトやサービスも大きな可能性を持っているが、同様の印象とのこと。

高齢者やチャレンジド(障がい者)に対しては、「やさしい」「やってあげる」という健常者視点ではなく、「高齢者が使いたいもの」「高齢者が買いたい売り場」をどう提供するか、という視点の重要性が語られた。リアルな売り場の実践の好例として、京王百貨店の新宿店が紹介された。

「Webを作っている人は研究者としていろいろ深めたい気持ちはわかるが、ビジネスマンとしてマーケットに目を向けるべき視点がずれているし、ユーザーを調べていない。開発の現場に高齢者やチャレンジド(障がい者)がおらず、声が反映されていない」という、飾らない、それでいて本質をついたコメントも。参加者の中には、心に深く刺さったように感じた方も多かったのではないだろうか。

(withD編集部)

関連サイト

アックゼロヨン・アワード2007
アックゼロヨン・アワード2006入賞作品
特定非営利活動法人 日本ウェブ協会
モリサワ コーポレートサイト
西村あさひ法律事務所
ソフトバンクグループ通信3社2009年度新卒採用サイト
郵便年賀.jp
THE ACADEMY OF SMIRNOFF ROAD
Tagle
台風前線2
みんなで!山陰
WIRED VISION
麻生太郎オフィシャルサイト
京王百貨店、新宿店を15年ぶりに大規模改装(ふくしちゃんねる)

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