2008.06.27
「Android / Gears / Google Web Toolkit」セッション篇

6月10日にパシフィコ横浜で開催された「Google Developer Day 2008」における、3つのセッションをレポート!
「Google Developer Day」は、Googleが主催するエンジニアによるエンジニアのためのイベントです。Google のエンジニアやウェブ開発のリーダーたちによるセッション、実際のプログラムコードを使った演習によるコードラボが催され、会場はエンジニアの熱気に溢れていました。
さまざまなセッションの中から、3つのセッションをご紹介します。
会場は、さながらGoogle社内!

会場にはGoogleカラーのイスと、ドリンクが用意され、まるでGoogleの社内にお邪魔しているような雰囲気でした。
Androidで携帯電話のソフト市場が変わる!?

Jason Chen氏
「Android」とは、Googleが開発したモバイル・プラットフォームのこと。若干語弊はありますが、簡単にいうと、WindowsやMac OSのように、標準のアプリケーションを含んだオペレーションシステムです。「Android アプリケーションの構築(基礎編)/講師:Jason Chen氏」では、下記の2つについて紹介されました。
- Androidのシステム構成がもたらす技術革新
- Androidのオープン開発体制が可能とする将来像
まずAndroidのシステム構成ですが、これまでのJavaアプリやFlash Liteなどとは異なり、OSの機能や標準ソフトの機能までも自由に再利用できる構成になっています。それにより、電話帳やブラウザの機能を組み合わせたシームレスなインターフェースが実現できるそうです。

Androidのシステム構成
会場では、ブラウザ上で検索した住所から地図を表示する実演が行われました。地図情報を選択すると、インストールされている地図アプリのリストが表示され、ユーザーは、アプリリストの中から、ニーズにあった地図アプリを選択することができます。また、ウェブサイト上のアドレスを簡単にアドレス帳に登録する、といったこともできます。
Android Demo(YouTube、英語)
シームレスって素晴らしい

2つめの、Androidのオープンな開発体制については、単に開発ソースをオープン公開するだけでなく、産業、ユーザー、開発者のそれぞれの人にとって、Googleと一緒により便利な環境を創造できる仕組みとなっていました。
- 携帯電話の開発において、Androidのプログラムはすべてオープンソース
- Googleがプロジェクトにおいて抱えている課題点もオープンに共有する
- ユーザーは好きなアプリをインストールできるだけでなく、そのアプリを標準アプリとして設定できる
- 開発者は自作アプリを誰の許可もとらずに配布できる
つまり、GoogleはAndroidという開発プラットフォームを提供するので、その中身はみんなで良いものを育てていこう、いうスタンス。最後に講師のJason Chen氏が残した、「標準アプリはあくまでもGoogleからの『たたき台』です」というコメントが印象的でした。
必要なときだけネットにつなぐ、Gearsの可能性

市川宙氏(左)と河内隆仁氏(右)
「Google Gears」は、1周年を迎え、よりオープンな開発ツールを意識して「Gears」に改名されました。今後、Mac OS X Safari、Opera にも対応する予定となっており、いよいよ標準の開発ツールとして本格的に利用する機会が高まりそうです。
「Gears」とは、ウェブブラウザに新しいフィーチャーを追加することで、より強力なウェブアプリケーションを実現します。さまざまな機能が提供されるようですが、特徴的な機能は下記の3つです。
- ローカルマシン上のデータベースに情報をギガバイト単位でキャッシュし、インターネットに繋がっていない状況でも履歴など様々なデータを確認できる
- バックグラウンドでJavaScriptを実行することで、他の処理の負荷に影響されず、マルチプロセスであるかのごとく、軽く動作させられる
- モバイルのプラットフォーム環境でも、すべての機能を提供できる

特に、サイト側で「マニフェスト」と呼ばれる更新連絡用ファイルを更新することで、クライアント側がローカルのキャッシュを更新する仕組みが、大変シンプルで効率的でした。この仕組みによって、今よりも断然リッチなコンテンツが増えていくかも知れませんね!
他にも、かゆいところに手が届く機能が紹介されていましたので、箇条書きでご紹介します。
- ウェブページへのショートカットが作れる(ショートカットアイコンのデザインも可能)
- スクリーンの右下(ブラウザの外)からポップアップを出せる
- 複数のファイルを一度に選択してアップロードできる
- ファイルのアップロード中に、アップロード状況を表示できる
- ファイルのアップロード中にキャンセルしても、続きからアップロードできる

Gears を使ったウェブアプリ
複数ブラウザ対応が簡単になる Google Web Toolkit
最後に紹介するセッションは「Google Web Toolkit (GWT)」です。Googleのさまざまな機能をAjaxと絡めて利用していく際に、頭を悩ませるのが「ブラウザ対応」じゃないでしょうか。せっかく Windows IEで動作したのに、Mac Safariで動作しない。Mac Safariで動作するようになったら、今度は Windows IEで動作しない。
Ajaxで開発をしたことのある方なら、一度は経験したことがあるかと思います。そんな方に朗報です! 「Google Web Toolkit」は、「Java」でコーディングしたプログラムを「JavaScript」に書き直してくれるツールです。多くのJava開発者に親しまれている「Eclipse」も使うことができ、JavaScript開発で悩みの種だった、ブラウザ環境によるデバッグのしづらさも解決されます。
「Google Web Toolkit」の素晴らしさは、それだけではありません。まったく同じ動作をさせる場合でも、「Google Web Toolkit」は各ブラウザに合わせて最適化されたプログラムを書き出しますので、動作が非常に軽くなるのだそうです。「Google Web Toolkit」の普及によって、今後のウェブ開発が業界全体でスピードアップする可能性がありますね。
イベントに参加して
今回のイベント全体で強調されていたのは、Googleが提供するサービスは「オープン」である、ということ。「Googleは、世界中の開発者と一緒に新しい世界を作っていく」そんなメッセージを感じる1日でした。ぜひ次回のイベントには、あなたも参加してみてはいかがでしょうか。
関連リンク
Google Developer Day
Google Developer Day 2008 レポート バックナンバー
アナログ系プログラミングでいこう バックナンバー
Android Demo(YouTube)
Android - Google Code
Google Reader
Remember the Milk
Google Gears API - Google Code
Google Web Toolkit - Google Code
Google Developers Day 2008 Japanの全セッション(YouTube)
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