2008.11.12
第3回「月刊インタラ塾」レポート

9/17、Apple Store銀座にて、バスキュール所属「Gyorol」等を手がけた馬場鑑平さん、「AXE WAKE-UP SERVICE INC.」等を手がけた原ノブオさんをゲストに行われたイベントの模様をお届け。
「月刊インタラ塾」は、印象的な企業サイトやブログパーツの制作で知られるタナカミノルさんが所属するクリエイティブ集団「KURUKURU」の主催で開催されたセミナーイベント。「ヌルッと染みこむ馬場鑑平、ズキュンと響く原ノブオ」と題された第3回の様子はいかに?
Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード2008など数々のアワードを受賞している制作会社、バスキュール。そこから2名のゲストを迎えて行われた今回、好例の5分間プレゼンテーションを飛ばしての本編開始となりました。
QRコードを撮ると、携帯が釣り竿になります
一人目のゲストスピーカーは「Gyorol」や「魔球ロワイヤル」等を手がけられた馬場鑑平さん。ご本人のブログでは準備に向けた苦悩の様子が公開されています。インタラクティブ、この言葉が表す意味を、携帯電話が釣り竿になる実験的な作品「Gyorol」を通じて解説されました。
Gyorol(YouTube)
利用者が起こしたアクションに対し、何らかのフィードバックを起こすコンテンツを体験する。つまりは「アクション」と「リアクション」が対応した一連のしくみのことを、インタラクティブと定義しました。そこで大切なことは、その状態までユーザーをどう導くかのストーリーを、綿密に想定しておくことだと話されます。
Gyorolにアクセスしてみましょう。サイトの説明ページを挟むことなくQRコードが現れ、撮影をするのだなとユーザーは気づきます。逆に言えば、それ以外の行動を考えにくい状況が演出されているのです。何が起こるのかワクワクしているうちにゲームに参加していて、釣れた魚を目にして我に返るといった印象です。

アクションを起こさせるにはハードルがある
しかし、画面を撮影させるというアクションは結構なハードルになります。その障壁を下げると共に、口コミを起こさせる要因となるものが、認知から報酬までを一言でいえる魅力的な言葉なのです。アクセスして最初に表示される「QRコードを撮ると、携帯が釣り竿になります。」この一文で、サイトの概要を表したことがGyorolの成功の要因と、馬場さんは解説されました。

行動するどんな利点があるのかを示す一言が重要
当初は「QRコードを撮って名前をいれてね」など回りくどい表現をしていたが、それではダメだったといいます。いいコンテンツがあっても、メッセージがわかりやすい形にまとまっていなければ人は紹介しづらい。いいインタラクティブと言われるからには、どう理解され、紹介されるかまで導線を考えておくのが大切というメッセージが、Gyorolを通じて伝えられました。
ウェブディレクターは、体験の演出家
二人目のスピーカーは、ユニリーバ「AXE」キャンペーンを2年以上に渡って担当している原ノブオさん。ウェブディレクターという立場から考える仕事のあり方を、一大センセーションを巻き起こした目覚ましサービス「AXE WAKE-UP SERVICE INC.」(サービスは終了)を通じて語られました。
AXE WAKE-UP SERVICE INC.(YouTube)
1983年にフランスで誕生以来、世界83ヶ国で販売されてきた男性向け香水スプレーのAXE。日本への参入をどう立ち上げていくのか、販売元のユニリーバを中心に複数の企業がチームを組み、プロモーション展開が練られていきました。

原さんがクライアントに出した企画書
「朝起きたところにAXEをかけてくれるサービスをする架空の会社」が出来たという設定のCMを行うことが決まり、さてウェブはどうしますかというところから企画はスタート。原さんがクライアントに提出した企画書は、ホントに起こします。の一文だったそうです。

クライアントからは本気を確認する「返事」が
開発がスタートしたとはいえ、どうしたら印象に残るコンテンツを作り出せるのか、アダルトチャットの様に相手を選べるインターフェイスを考えたり、ルーレット的に女の子を選んだりと、文字通りの試行錯誤の日々が続いたそうです。
携帯電話を使って、距離感を縮めさせる
記憶に残るモーニングコール。その理由付けを、驚きに求めようと思いついたことが開発の突破口になりました。ユーザーにとって最も高いハードルとなるのは電話番号を送信する瞬間です。「こんなサイトに番号入れて、やばかったかな・・・」多少の後悔も覚えるそこの瞬間に驚かせることを演出し、印象付けを狙ったのです。

驚かせて印象づけるには、タイミングが重要
携帯番号を登録した瞬間に、画面の中でアイコン的に存在していた女の子が動き出して電話を受け、話し出す。完全にパーソナルな物である携帯電話と、コンピューターの中が一体化した様な錯覚が生まれ、驚きとなる。(上部のPVの0:50辺り)サービスを利用する人の心理状況を読み切ることで強烈な印象付を実現し、爆発的な口コミを生み出したのです。
サービスを創り出すディレクターに大切なこと。それはチームプレイを意識すること。絵を描く人、Flashを作る人、クライアントが一体となって一つの物に向かう。そこにコミュニケーションが成立してなければ、ユーザーとのコミュニケーションも出来るわけがないとのメッセージを述べ、セッションを終えられました。
ユーザーの心理を読み、手順を意識すること
生活に欠かせない携帯電話をツールとして活用することで、ユーザーの予想を上回るインタラクティブな体験を創出する。コンテンツに触れるユーザーがどう考え、感じるかのシミュレーションを追求されていることが、いいインタラクティブを創り出す必要条件になる。お二人の語り口は違えど、大切なことは一つ。そう感じさせる時間となりました。
関連リンク
特派員のイベントレポート バックナンバー
月刊インタラ塾
Pickles
KURUKURU
バスキュール
馬場鑑平さん
原ノブオさん
Gyorol
魔球ロワイヤル
アックス
AXE WAKE-UP SERVICE INC.(Gigazine)
Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード2008贈賞式レポート(withD)
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