2008.07.03
「SwapSkills for the happy web weekend」レポート

6月15日、Vision Center(秋葉原)にてJohn Allsopp(ジョン・アルソップ)氏をゲストに行われた、注目のセミナーの模様をお届け。
6月14日と15日、ActLink主催のセミナー「SwapSkills for Happy web weekend」が行われました。WaSPの初期メンバーであり、現在Microformatsや自ら開発したCSSエディターツール「style master」を通じて講演活動中のJohn Allsopp(ジョン・アルソップ)氏が来日。さらに、著名なキーマンが一堂に集まるという注目のイベントとなりました。
このレポートでは、15日(日)にVision Center(秋葉原)で行われ、John Allsopp氏のほかにW3CのMichael Smith氏、そして神崎正英氏も出演したセミナーの模様をお届けします。
セマンティック・マイクロブログ:神崎正英氏
神崎正英氏といえば、改めて説明が不要なほど“日本のセマンティック・ウェブ技術の第一人者”として有名。今回は「セマンティック・マイクロブログ」と題し、いかにインターネット上の別々のサービス(SNSやブログ)における投稿(エントリーやコメントなど)を同一ユーザーと識別させるか、また、位置情報(GPS)をどう取り込んで位置情報を加えていくか、というテーマで展開されました。詳細はスライドをご参照ください。

神崎正英氏(左)と神崎氏のFOAF(右)
現在、ネット上にはさまざまなサービスが存在おり、ユーザーはそれらのサービスに複数参加しコンテンツ情報を投稿/シェアしている訳ですが、各サービスのおいてそれぞれのコンテンツとユーザー名が同一人物によるものと判断することは難しい状態にあると神崎氏。各サービスが配信しているRSSやAtomといったフィード情報も形式は共通でありながら作者情報は省略されてしまうものもあったり、サービスごとに吐き出すAPI(Application Program Interface)の形式が違うなど、共有が難しい面があるのが現状だといいます。
しかし神崎氏によれば、RDF(Resource Description Framework)を用いることで、より個人にひもづいた最適なデータ形式にすることが可能とのこと。ポイントは下記の2点。
- SIOCとFOAFを組み合わせる
- Geoを付加する
約50分の短いセッションでしたが、実践可能なコンテンツよりの題材だったからか、会場がどよめく場面もありました。身近なサービスを介して、サービスを横断したユーザーと投稿のひもづけや位置情報の共有が実現可能なところまできていることが実感できた、中身の濃いセッションでしたね。
パネルディスカッション
通常こうしたイベントの場合、本編終了後の懇親会となるのが常ですが、このイベントではランチタイムに立食形式の交流の時間が設けられました。さらにブランクの交流時間を提供するだけでなく、ActLinkの菊池崇氏による進行・通訳で、John Allsopp氏とMichael Smith氏(W3C)によるパネルディスカッションが行われました。

左から菊池崇氏、John Allsopp氏、Michael Smith氏
- MicroformatsはSEOに対して有効か?
- iPhoneの日本における反応
主催者のホスピタリティが感じられる充実したランチタイムで新鮮な印象でした。今後ほかのセミナーでも、このような交流の形がもっと広がると、従来なかなか交流に参加できなかった人も自然に加わることができるかもしれませんね。
Basic of microformats:John Allsopp氏
午後のヘッドライナーは、John Allsopp氏。第一人者で最近日本語訳の著書「マイクロフォーマット」を出版したJohn Allsopp氏のセッションは、Microformatsとは何なのか、そしてインターネット上のMicroformatsの現状についての内容となりました。
日本でも一部では注目を集めるMicroformatsですが、最近はメタデータを理解/処理することが可能となり、米Yahoo!の「SearchMonkey」ではMicroformatsをインデックスするシステムやAPIを構築しており、APIで検索用のアプリケーションを作ることも可能です。SearchMonkey以外では、Ma.gnolia、テクノラティ、Flickr、Kelkoo(Yahoo!)といったサービスでもMicroformatsが利用されているとのこと。
HTML 5:Michael Smith氏(W3C)
次に、W3CのHTML 5ワーキンググループの一人でもあるMichael Smith氏が登場。予定の内容とは異なり、現在開発中であるHTML 5についての概要についての説明となりました。

Michael Smith氏(左)とHTML5(右)
HTML 4.01の仕様の勧告(1999年)からかなりの年月がたってしまっており、Ajaxなどの普及などもあってこれまでのHTMLでは限界があったことを背景に、HTML 5について本格的に開発の手が入り始めたとのこと。
しかもHTML 5については、これまでの文書型定義であるDTDを定義せず、「SGML」ではなく「HTML」であること、HTML版とXML版の2つ存在しており、cookieを使わないデータのストレージや、クロスドメインのメッセージの追加もされていることが紹介されました。また、プレゼンテーション用のWebアプリケーションが現段階で存在しています。
Where`s your web at ?:John Allsopp氏
再びJohn Allsopp氏が登場。デーマは今後のWebの行く末について。この内容は、氏が海外の様々なカンファレンスで行ったもので、今回初めて日本の開発者向けにプレゼンテーションされました。詳しくは同等の内容のスライドが公開されています。平易な英語なので、ぜひご覧ください。
Webの普及は、これまでデスクトップのパソコンにおけるインターネット利用という姿から、携帯電話など外に持ち運べる状態でのインターネット利用へと変わり始めていると、John Allsopp氏。この状況はさらに進化し、インターネットはより生活や身体と密接な関係をもった存在になり全てはWebにつながっていく、そして「わたしたちWeb制作者はそれを実現できるだけの技術はすでにもっている」とも。
ログインを簡略化する「OpenID」や、URL入力を省略させる「QRコード」などがそうした技術の一例。一般のユーザーにとって使いにくい部分は、今後さらなる開発や技術の標準化が進むにつれ解決していくに違いない。そして、Wiiや7月に発売されるiPhoneにはその予兆が感じられると、明るい展望で締めくくられました。
Web Directions East 11月7日〜9日東京で開催!
最後に「One more thing」として、サプライズな発表が。すでに北米とオセアニアで開催され、Web制作者や技術者の世界最大級のカンファレンス「Web Directions」、そのEast版となる「Web Directions East」が日本で実施されるようです。

Web Directions North(左)、Web Directions South(右)
11月7・8・9日の3日間で、1日がカンファレンス、残り2日間がワークショップとしての開催予定だとか。ゲストとして、Eric Meyer(CSS)、Dan Cederholm(XHTML)、Jeffrey Veen(IA)、Jeremy Keith(Ajax・DOM)、Andy Budd(UX)といった海外のビックネームの来日が決定しており、日本のWeb制作業界に一石を投じるエポックとなるのは間違いないところでしょう。withDでも順次関連情報をお届けするのでお楽しみに!
関連リンク
特派員のイベントレポート バックナンバー
ActLink Co,.Ltd
SwapSkills for Happy web weekend
The Web Standards Pproject
Microformats(Wikipedia)
Style Master CSS Editor for Windows and Mac OS X
John Allsopp: My life online
The Web KANZAKI
セマンティック・マイクロブログのスライド(The Web KANZAKI)
Semantically-Interlinked Online Communities
FOAF -- メタデータによる知人ネットワークの表現(The Web KANZAKI)
Geo(Geostationary Earth Orbit)
マイクロフォーマット ~Webページをより便利にする最新マークアップテクニック~(Amazon)

Ma.gnolia.com
Kelkoo.com
HTML 5(W3C)
Michael(tm) Smith
DTD(Wikipedia)
SGML(Wikipedia)
Where's your web at?(Web Directions North)
Where's your web at(SlideShare)
OpenID(Wikipedia)
Web Directions North
Web Directions
meyerweb.com
SimpleBits
Jeffrey Veen
Adactio: Jeremy Keith
Andy Budd::Blogography
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