2008.12.26

新製品レビュー:VersaUV LEC-300

イメージ:新製品レビュー:VersaUV LEC-300

ローランド ディー. ジー. (株)
5,229,000円

その他のハードウェア製品

厚盛り印刷からステッカー作りまで
工夫次第でいろいろ使えるUVカッティングプリンタ

VersaUV LEC-300
VersaUV LEC-300
問い合わせ先ローランド ディー. ジー. (株) コールセンター
TEL0120-808-232
URLhttp://www.rolanddg.co.jp/
価格5,229,000円

サイン業界で使用されている大判インクジェットプリンタは、低臭気の溶剤インクを使用したモデル、紫外線硬化するUVインクを使用したモデル、この2つが主流だ。今回紹介する「VersaUV LEC-300」(以下、「LEC-300」)は、後者のUVインクを使用したモデルだ。俗にUVプリンタなどとも呼ばれている。UVプリンタについてなじみの少ない読者も多いかと思うので、その特徴を簡単に説明しよう。

VersaUV LEC-300の特徴

  • 速乾性に優れている
UVインクは紫外線を照射するとすぐに硬化するという性質をもっているため、乾燥時間をほとんど必要とせず臭いも少ない。
  • メディアを選ばない
溶剤インクはメディアと融和することで定着するが、UVインクはインク自体が硬化してメディアに定着する。そのため専用メディアでなくとも、紙や透明フィルムなどさまざまなメディアに印字することが可能となる。

オフセット印刷で余った紙に印刷することもでき(ロール紙以外に手差し給紙も可能)、用紙の有効利用と同時に質の高い試作用途にも使える。とくにLEC-300は、紫外線ランプにLEDを使用しているため、従来の高熱を発生するハロゲンタイプのランプでは使用できなかった、熱に弱い布や皮革といったものにも印字できる。

  • 透明インクにより特殊効果的な使い方が可能
濃度の高い白インクや、水性や溶剤インクでは使用できない透明インクを使用することができる。これにより、カラー印刷に加え、透明フィルムなどに白を描いたり、マット調のメディアに対して部分的に光沢をもたせるなど特殊加工的な使い方もできる。

VersaUV LEC-300の特徴1透明フィルムの裏側にカラー印刷を行い、さらに白インクでかぶせたもの(右)。表から見ると、きれいに発色していることがわかる。軟包装の校正などにも使える。

※クリックすると図が拡大します。

  • 多彩な特殊加工
では、いったいどんな印刷ができるのか。カラー印刷がきれいなのは当然として、ここで取り上げたいのは、やはり透明インクを使った特殊加工だ。この透明インクは、紫外線を照射するタイミングを変えることで、光沢、マットのどちらも表現できることに加え、最大7回まで重ね塗りをすることで印字面の厚みを変化させることができる。

VersaUV LEC-300の特徴2光沢の上にマットでイラストを印字した例。光の反射具合でさまざまな表情が得られる。同じ印字面にも光沢・非光沢を区別して印刷できる。

※クリックすると図が拡大します。


VersaUV LEC-300の特徴3カラー印刷した上に透明インクをやや厚めに印字し光沢感を出した例。ワニ皮のような雰囲気が見事に再現されている。

※クリックすると図が拡大します。


VersaUV LEC-300の特徴4世界地図をカラー印刷した後、高度差を透明インクの盛り具合の変化で表現したもの。かなり手の込んだデータだが、シルクスクリーン印刷でもなかなか難しい表現を簡単に再現できる。

※クリックすると図が拡大します。

ちょうどニス引きや、シルクスクリーン印刷のUV厚盛りといったような表現や、箔押し加工のような雰囲気をもたせることができる。インクの厚みは印刷条件によっても異なるが、およそ0.5㎜程度まで盛ることが可能。これは、触れれば確実に凹凸がわかるレベルだ。

  • 付属のソフトウェアによる簡単な制作手順
制作の手順を見ていくと、透明インクを使用したい部分には、Illustrator上で特色としてデータを作成しておくだけでよい。光沢・非光沢や重ね塗りの回数などは、付属のソフトウェアRIP「Versa Works」上で簡単に設定できる。
VersaUV LEC-300の特徴5
※クリックすると図が拡大します。

Illustratorで作成したデータの上に、特色を使って透明インク用のデータを作成する。プリンタ側はこの特色に合わせて透明インクを印字する。

VersaUV LEC-300の特徴6「モード」のプルダウンメニューをクリックすると、光沢、マット、エンボスの中から透明インクの仕上がりを選べる。

※クリックすると図が拡大します。

これまでオフセットやシルクスクリーンでの印刷がためらわれた、小ロットの特殊加工印刷には非常に威力を発揮するモデルだろう。多様な顧客ニーズへの対応、また新たなビジネスの掘り起こしなど、1台で多彩な結果を生み出す高いポテンシャルをもっている。標準価格は、3年保守込みで498万円(税別)。

この製品レビューは、月刊DTPWORLD1月号に掲載されています

特集は「できる、Photoshop 簡単トーンカーブ&色相・彩度のコツ」。「トーンカーブ」と「色相・彩度」を使いこなすことで、写真の奥行きが鮮やかに蘇ります。第2特集は、デザイナーのためのAdobe Creative Suite 4ガイド。ぜひ、この機会に月刊DTPWORLD1月号(Vol.127・2009年12月13日発売)をワークスオンラインブックストアでご用命ください。

(提供:月刊DTPWORLD、山口誠)

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