エンターテインメント向けを謳って、AV機能を充実させたPCは随分増えており、それぞれに独自のポイントが盛り込まれている。今回紹介するのは、HDコンテンツの再生環境にフォーカスした製品だ。

Gemstone Blue - Aspire 6920 Series
| 問い合わせ先 | 日本エイサー(株) |
|---|---|
| TEL | 0120-561-813(エイサーご購入ホットライン) |
| URL | http://www.acer.co.jp/ |
| 価格 | 110,000〜180,000円前後 |
HDコンテンツに適した16:9の画面とサラウンド音響
エイサーの「Aspire 6920 Series」は、同社のAspireシリーズの中でも特別なものとして位置づけられる「Gemstone Blue」ブランドのノートPCだ。エンターテインメント向けの製品として、アスペクト比16:9の液晶画面を採用していること、ドルビーホームシアターを搭載していること、メディアコントロール用のタッチパネルを備えていること、以上の3 点が大きな特長になっている。

評価機の構成
画面サイズは16インチワイドで、解像度は1,366×768ピクセル。PC用モニタとしては半端な値だが、民生用ハイビジョン対応テレビでは一般的な解像度であり、多くのHDコンテンツが16:9の比率で制作されていることを踏まえた選択である。一般的なノートPCよりも輝度と色再現性が高いパネルを用いることで、画質にも配慮した格好だ。フルHD対応でない点が残念だが、18.4インチワイド/1,920×1,080ピクセルの液晶パネルを用いた上位モデルが今後発売予定という。
映画などのHDコンテンツでは音響面もクオリティが高いが、本機の再生環境もそれに応えるべくドルビーホームシアターによる高品質なものとなっている。本体のみでの出力は2スピーカー+1ウーファーの2.1ch環境だが、ヴァーチャル5.1chサラウンドをサポートし、臨場感のある再生が可能だ(外部AVアンプと接続すれば、5.1chをフルに再生できる)。
タッチパネル部は「CineDash Media Console」と呼ばれ、同社ソフトの「Acer Arcade
Deluxe」や映像/音楽再生ソフトの操作が行える。イルミネーションが光るので暗いところでも視認性は高く、見た目、操作感ともユニークなインターフェイスと言える。
キーボードの剛性感はあまりなく、たわむ感じがある。左側にあるのがCineDash Media Consoleで、メディア再生の各操作と、円を描くような操作と左右カーソル移動による項目の選択が行える。右側には無線LANとBluetoothのオン/オフや、メールソフト、Webブラウザの起動ができるスイッチが備わる。右上の「e」ボタンを押すと、オーディオやパフォーマンスの設定、バックアップ作成などが行えるラウンチャ(本体写真の画面上部)が起動。
独自のメディアコントロールソフト「Acer Arcade Deluxe」は、Windows Media Centerに似たインターフェイスを備えている。
音量調節の際など、時折反応が鈍くなることもあるが、使い勝手はまずまずだ。実際に本機で視聴してみると、画質、音質とも十分なレベルを保っている。液晶パネルの倍速駆動機能はないので、動きの速いシーンなどでは不利な面もあるが、PCの再生環境としては結構良い。

光沢パネルやメタリックパーツを配しながら、比較的すっきりとまとめられた本体。前面左にメモリカードスロット、液晶画面の上部に30万画素のWebカメラを備える。背面はヒンジ部と廃熱口だけとなる。
USBやHDMI、ネットワークなどインターフェイス群は本体の左右に配置されている。円形のヒンジ部分は左がACアダプタ接続、右が盗難防止用キーロック接続になっており、カバーも付属する。
音量を大きくしても本体がビビることがなく、豊かなサウンドを再生できる点も好ましい。エンターテインメント向けという本機のコンセプトは、しっかりアピールできていると感じる。
PCとしての性能も十分な水準を確保
PCとしてのスペックは現在の標準的なもので、最上位モデルのみBlu-rayの読み込みが可能な
(書き込みは不可)DVDマルチドライブを搭載する。GPUは、チップセット内蔵かNVIDIA GeForce9500M GSのいずれかで、前者の場合はシステムメモリとグラフィックメモリが共用になる。ハードウェアの性能が十分な水準にあることはベンチマークテストでも明らかで、3DCGソフトウェアなどの利用やゲームを楽しむにも、苦になることはないだろう。

いずれの結果もパフォーマンスの高さを示しており、HDコンテンツの利用にも大きな支障はないと考えて良いだろう。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果。トータルで高いパフォーマンスを示しており、最低値はグラフィックスの4.6となった。
キーボードの配列は、右側一列が追加され、左Ctrlキーなどが小さくなっているというもので、少々慣れが必要かもしれない。トラックパッドはパームレストと一体化しており、素材も同じものだ。滑らかさが少なく独特な感触なので、こちらも慣れや好みがあるだろう。
試用して気になったのは、冷却ファンの音が意外と耳に入ってくることと、その排気が液晶画面に直接当たることだ。ヒンジと廃熱口の位置関係に起因するため回避のしようがなく、これはいかがなものかと思わざるを得ない。
映像/音声の両面から環境を整えていることは評価できるポイントであり、スペックに比して意外と安価な点も魅力的と言える。エンターテインメント用途を主軸にPCを使いたいと考えている人は、新たな選択肢としてチェックしてみると良いだろう。
この製品レビューは、月刊CGWORLD9月号に掲載されています
第1特集は「アニメーションの本質」、第2特集は「レンダリングの効率化」。その他、特別企画として、映画『ダークナイト』やTVアニメ『ペンギンの問題』をフィーチャーしています。ぜひ、この機会に月刊CGWORLD9月号(Vol.121・2008年7月29日発売)をワークスオンラインブックストアでご用命ください。
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