DirectX 9、10のHLSLやCgに対応したGPU向けシェーダエフェクトの統合開発環境。COLLADAとの連携などもサポートされた高機能な開発環境の最新版を紹介する。

FX Composer 2.5
| 問い合わせ先 | NVIDIA |
|---|---|
| URL | http://www.fxcomposer.com/ |
| 価格 | 無償 |
DirectX 10やOpenGLに対応したシェーダ開発ツール
FX Composerは、NVIDIAが無料で提供しているGPU向けのシェーダプログラム統合開発環境
。Microsoftの統合開発環境であるVisual Studioに近いインターフェイスで、DirectXのHLSLやNVIDIAのCgなどのシェーダ言語を用いたシェーダエフェクトの開発を行うことができる。
FX Composerは当初、DirectX 向けのHLSLの開発のみをサポートしていたが、2.0からCgに対応しOpenGL向けの開発も可能となっている。加えて2.0からCOLLADAに対応したことにより、PS3向けの開発も行えるようになった(ただし、この機能はPS3開発者向けにプラグインの形で提供されているため、一般には公開されていない)。今回紹介するバージョン2.5では、先述のCOLLADAとCgサポートに加え、DirectX 10向けのHLSLも新たにサポートされている。
シェーダコードの編集を行うエディタ部分は、変数の色分けや組み込み関数・変数の型の呼び出しを補助するコード補完などの一通りの機能を備える。また、シェーダコードのパフォーマンス分析ツールなども付属。プラグインを追加すれば、デバッギングツールを導入することもできる。さらにカスタマイズ機能として、C♯を用いたプラグイン作成も可能だ。またモデルデータは、COLLADAと3DS、FBX、OBJとDirectXのX形式のインポートに対応。このうちCOLLADA に関しては、カメラやライトなどのシーン情報も持ち込むことができる。
- FX Composer 2.5の概観
- ツールバー
FX Composerの各種操作はツールバーから行う。左から、ファイルの作成やオープン、保存などを行うアイコンが並び、[Effect]から[Analyze]までは、シェーダエフェクトの新規作成やコードのビルド、分析などの機能を持つ。[Sphere]から[Plane]はあらかじめ用意されたティーポットなどのモデルをシーンに追加する際に使用する。また[ P o i n t ]から[Directional]はライトの設置で、[Binding]はライトの関連付けである。アニメーションの制御には[Play]と[Stop]を用い、[Direct3D9]ではプレビューにおけるレンダリング方法の切り替えを行う。
- プレビュー
- サポートするエフェクトの種類
FX Composerでは、DirectXやOpenGL向けのシェーダエフェクトの開発ができる。左上の図の[Effect Wizard]で、まずターゲットとなるエフェクトの実行環境を選択する。PhongやLambertと言った標準のシェーダを利用したい場合には、[COLLADA FX Common]を選択する。[COLLADA FX Common]には右上の図のようなシェーディングモデルが用意されている。また、[HLSL FX]はDirectX向けのエフェクトである。[COLLADA FX Cg ]は、Cgを使ったエフェクトを作成するときに選択するが、エフェクトの管理はCOLLADA FXの仕様に沿う。[COLLADA FX Cg]と[CgFX]はOpenGLを用いる。さらに、各ターゲットにはあらかじめテンプレートとなるエフェクトが用意されている(下図)。
※クリックすると図が拡大します。
- アセットパネルとプロパティパネル
- マテリアル、テクスチャモデル
バージョン1 . 8時代のFX Composerは、DirectXのHLSL開発者のみに向けたシェーダエディタ/プレビューツールであったが、COLLADAの採用によって、プログラマからCGアーティストまで幅広く利用できるようになりつつある。ただし、CGアーティストがFX Composerを導入する際には、いくつかの障壁がある。
- HLSLやCgなどのGPU向けのシェーダプログラミング言語の習得が必要になること。
- 続いて、UIの特殊な操作を習得することである。FX Composerには、シェーダエフェクト内のパラメータをGUIで編集し操作できる[プロパティパネル]という仕組みがある。このプロパティパネルの定義や制御には、Standard Annotations and Semantics(SAS)と言われるコードをシェーダプログラム内に記述しなくてはならない。
以上の点がアーティストの導入を難しくしていると言えるが、アーティストにもシェーダの知識が求められつつある昨今、本ソフトで勉強してみるのも良いだろう。
この製品レビューは、月刊CGWORLD10月号に掲載されています
第1特集は「After Effectsプラグイン ザ・ベスト」、第2特集は「CGビジュアライゼーションの今」。その他、特別企画として、映画『パコと魔法の絵本』をフィーチャーしています。ぜひ、この機会に月刊CGWORLD10月号(Vol.122・2008年8月29日発売)をワークスオンラインブックストアでご用命ください。
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