高品質なレンズフォーカス・シミュレーションができるプラグインソフト、FinalFocusの最新版3.0がリリースされた。製品の特徴をおさらいしながら、最新版をレビューする。

FinalFocus3.0
| 問い合わせ先 | Sakurai Optical Lab. |
|---|---|
| URL | http://reiji.net/ |
| 価格 | 63,000円(8bit/D1版)他 |
シンプル操作で、超高品質なデジタル合成を実現
FinalFocusはAfter Effects(以下AE)などのプラグインとして機能するソフトだ。基本的な機能にはVer.1.0から3.0まで大きな変更はなく、1.0から.2.0へバージョンアップする際に処理速度が大幅に向上した(5〜50倍)。3.0ではVista、AE CS3 Professionalなど最新の映像制作環境に対応させるためのチューンが行われている。
FinalFocusをまだ使ったことがない方のために、本製品の特徴を紹介しておこう。AEなどのデジタル合成ソフトで「ぼかす」といえばブラーを思い出すが、映像演出で「ぼかす」といえばフォーカスアウトのことを指す。このフォーカスアウトをデジタル合成で表現するには、ブラーエフェクトではなく、光学シミュレーションエフェクトが必要となる。これはレンズブラーと呼ばれることも多く、サードパーティ製のプラグインも数種類販売されている。中でも仕上がりが超高品質で、なおかつ操作が非常に簡単なのがFinalFocusだ。
最も効果が期待できるのは、レイヤーごとのフォーカス送りの表現で、マルチプレーンカメラ(多段アニメーションスタンド)による撮影とほぼ同等の結果を得ることができる。なおレイヤー内のフォーカス送りについては、同じメーカーから発売されているプラグインIrisFilterを使うと良い。
FinalFocusの使い方にはコツがある。AEでの使用を例に取ると、最終のコンポジションを完成させた後、それをFinalFocus用のコンポジションへとブラッシュアップする。具体的にはプリコンポーズ機能を用いて、レイヤーをまとめたりエフェクトやトランスフォームを1つ前のコンポジションへと移動する。レイヤーの数は5〜6くらいにすると良いだろう。
なお加算やスクリーンなどの合成モードを反映させることができないので、これも何らかの技法で対処する(筆者HPを参考されたし)。このように下準備では煩雑な作業が発生するが、FinalFocus自体はシンプルだ。他のレンズブラー系エフェクトはパラメータが多く、試行錯誤を繰り返しても徒労に終わることがある。
- 前ボケ処理の品質向上
- 超高品質な仕上がり
※中央をクリックするとキャプションを表示します。
FinalFocusを適用した画像(図A)、After Effects純正のレンズブラーを適用した画像(図B)を比較すると、前者の方が輝度がはっきりしていて、錯乱円もシャープだ。適用前の画像(図C)。

DVで撮影した映像(図D)もあっという間に超高品質なフォーカスアウト映像に仕上がる(図E)。パラメータの調整が必要なく、すぐに好結果が得られるのもFinalFocusの魅力の1つだ。
- 合成モードへの対処

ガラス写りなどを合成する際、スクリーンなどの合成モードを用いることがあるが(図A)、FinalFocusでは合成モードを直接扱うことができないので、別の方法で合成をする必要がある。そのため時間が掛かったり、結果が思わしくない場合もある(図B)。次回はぜひ対応してもらいたい。
- レイヤーごとのフォーカス送り
- 8bit版と16bit版の違い
今回のバージョンアップは内部のブラッシュアップ的要素がメインで、新機能の追加はなくやや落ち着いた感がある。FinalFocusが発売されて5 年になるが、他社製品も徐々に良くなってきているので、良い映像作品が生まれるためにも、開発者のこれからの挑戦に期待している。
この製品レビューは、月刊CGWORLD9月号に掲載されています
第1特集は「アニメーションの本質」、第2特集は「レンダリングの効率化」。その他、特別企画として、映画『ダークナイト』やTVアニメ『ペンギンの問題』をフィーチャーしています。ぜひ、この機会に月刊CGWORLD9月号(Vol.121・2008年7月29日発売)をワークスオンラインブックストアでご用命ください。
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