2009.02.17
大日本タイポ組合インタビュー

お題に対して、ギリギリのところで表現するのが好きなんですよ。
2009年2月のマンスリートップイメージを手がけてくれたのは、大日本タイポ組合のお2人。1993年に秀親さんと塚田哲也さんによって結成され、昨年で活動15年を迎えた。その軌跡と実績は、初の作品集『大日本字 ー大日本タイポ組合の文字全集』(誠文堂新光社刊)にまとめられている。この書籍を読めば、彼らのことを知らない人でも必ず1つや2つ見たことのあるタイポグラフィがあるはずだ。

モノトーンでクールなデザインが印象的だった1月のマンスリートップイメージから一転、カラフルでユーモラスな作品を提供してくれた大日本タイポ組合の2人に、今回の作品について、最近の活動についてざっくばらんなお話を伺った。というより、2人の絶妙なトークにすっかり引きずり込まれてしまったと言った方が正確だ。楽しい取材だった。
キミはトップページの「決定的瞬間」を目撃したか?
今月のマンスリートップイメージを見て、「なぜ"D"なの?」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれない。ちなみに、編集部から2人に「こういうモノを作って欲しい」という具体的なオーダーはしていない。彼らにまっさらな目でwithDというメディアを見てもらい、自由なイメージを膨らませてもらいたいからだ。

会話のテンポもバッチリ息が合っている大日本タイポ組合の2人。左が秀親さん、右が塚田さん。
それで“D”のいろんな形を考えていくうちに、大文字・小文字、ひらがな・カタカナも作ってみました。"D"にいろんな意味が込められているように、"D"の形そのものもいろいろあって良いんじゃないかと。
今回のイメージを、5パターンの静止画像がランダムに表示されるだけか、と思った方も多いだろう。実は6枚目の画像があり、その画像だけはFLASH動画になっているのだが、気づいた方はいらっしゃるだろうか。確率的には滅多に見ることができないので、その場面に遭遇した方はかなりラッキーかもしれない。
動くタイポグラフィを作り始めたのは1999年のGASBOOKのメニュー画面が一番最初で、他ではケータイ待受動画の仕事をたくさんやりましたね。
Adobe CS3のユーザ事例として紹介されている「KUROFUNE 20000」のような作品を作っている彼らには、こうしたモーショングラフィックはお手のもの。それにしても、1分間に1回しか動かないという設定には、意地悪というより奥ゆかしさを感じてしまう。彼らには「どうだ、見てくれ!」という自己顕示欲があまり感じられないのだ。
今年2月に出たばかり、国内最大級の書体見本帳「フォントスタイルブック2009」。僕らはデザインでも何でも、お題に対して忠実に応えつつ、その中のギリギリのところで表現するのが好きなんですよ。直球で返すのでもなく、あえて外すのでもなく、エッジのギリギリを攻めたいんです。
表面的なカッコ良さを超えて、エッジの立ったタイポグラフィにこだわり続ける、彼ららしい発言だ。ここ数年は、彼らのテイストを分かった上で仕事を依頼するクライアントが増えているそうだが、その期待も常に裏切っていきたいと2人は言う。彼らに仕事を頼めば、デザインが上がってくるまでの間、「今回はどのくらい裏切ってくれるのかな?」と想像する楽しみがありそうだ。
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