2009.01.07
川上俊さんインタビュー

文化や考え方が全く違う人たちが、
自分の作品にどんな反応を示してくれるのかを知りたい。
2009年のwithDのスタートを飾ってくれたのは、「artless」の川上俊さん。川上さんは1997年にデザイン事務所でグラフィックデザイナーとしてのキャリアをスタートさせ、2000年に独立、artlessとしての活動を開始。以降、海外の展覧会に積極的に参加したり、自ら企画展をプランニングするなど、クライアントワークに留まらないデザイン活動を続けている。
そこで今回は、川上さんにデザインに対する考え方、海外での展覧会・企画展について、仕事をする上で大事にしていることなど様々なお話を伺った。
マンスリートップイメージの解説も併せてご覧ください。
海外での展覧会には、どんな反応が返ってくるか分からない面白さがある
この取材が行われたとき、川上さんはパリ・ルーブルの装飾美術館で行われた「日本のデザイン展」から帰ってこられたばかりだった。昨年は海外の展覧会に参加することが多かったという川上さんだが、海外で作品を展示する醍醐味はどんなところにあるのだろうか?
例えば上海では誰もが携帯電話で写真を撮り、作品を観る時間は短いことが多いのですが、ベルリンでは作品と一緒に設置されたヘッドフォンから流れる音楽をじっくり聴いてくれたり、といった具合で場所によって反応が全く違うんですね。もちろん、好まれる作品も異なります。様々な作品への反応をその場で見られることが、一番面白いことなんです。

展覧会初日の前日に作品が届かないというトラブルがあったという上海の展覧会。
何事も経験してみなければわからない、と川上さん。
ちなみに昨年、ベルリン、上海、東京と巡回して行われた展覧会「Art with Sound™」は、日本とシンガポールのアーティスト合計10組がミュージシャンとコラボレートし、グラフィックと音楽を一つにするという試みだ。日本サイドには、以前withDにも登場していただいたRAKU-GAKIの西田幸司さんも参加した。
グラフィックと音楽、日本とシンガポールという2つの軸を交錯させることで、見る人に対してはもちろんのこと、参加したクリエイター同士も大きな刺激を受ける展覧会になったと思います。海外での展覧会は参加するだけでも大変なことがたくさんあるのですが、日本では経験できない貴重な体験もできるので、得られることの方が多いですね。

「Art with Sound™」のフライヤー。デザインはもちろん川上さん。
アートワークには、川上さんの仲間である宮村弦さんの書が使われている。
イタリア人デザイナー、ブルーノ・ムナーリの著書「芸術としてのデザイン」に影響を受けているという川上さんは、自分はアーティストではなく、あくまでも「デザイナー」だと語る。その言葉には、彼のデザインに対する深い愛情が感じられた。
インタビューはまだまだ続きます。
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