2008.09.11

若林剛之さん(SOU・SOU 代表取締役・ディレクター)インタビュー

イメージ:若林剛之さん(SOU・SOU 代表取締役・ディレクター)インタビュー

どれだけ人の役に立てるか。それがデザインの力だと思う。

8月のマンスリートップイメージを飾ってくれたのは、京都のアパレルブランド「SOU・SOU」。京都で5店を展開するほか、東京・青山とお台場にも店舗があり、ネットショップでも商品を販売している。

SOU・SOUの大きな特徴は、地下足袋や伊勢木綿のてぬぐい、もんぺ、作務衣や着物、座布団など日本に古くからあるアイテムを、優れたデザインとテキスタイルで「今のアイテム」に蘇らせていること。代表取締役・ディレクターの若林剛之さんに電話でお話を伺った。

マンスリートップイメージの解説も併せてご覧ください。

京都→東京→アメリカ→京都

SOU・SOU 若林剛之さん
SOU・SOU 若林剛之さん

まずは、若林さんのご経歴とSOU・SOU設立までの経緯について伺った。

【若林】ファッションは昔からずっと大好きでした。一度東京に行ってみたいと思っていたので、日本メンズアパレルアカデミーという学校に行ったんですが、かなり男臭い学校で。学校に入ってから分かったんですが、オーダーメイドの紳士服をつくる技術を教えてくれるところだったんですよね。仕立屋になるための学校だったんです。自分はそのつもりは全くなかったんですけどね(笑)。

1987年から93年までは、(株)ファイブフォックスでパタンナーとして働きました。退職後はセレクトショップをオープンし、アメリカにラルフローレンやナイキなどの商品の買い付けに行くようになりました。90年代半ば頃の京都には、直接海外の商品を買い付けに行っているショップがなかったので、結構人気が出たんですよ。インポートものだけじゃなくて、オリジナル商品も自分でデザインして販売していましたね。

この頃から既に確かなビジネスセンスを持っていた若林さん。当初は東京でセレクトショップをやろうと思っていたのだが、予算の都合で京都にしたのだとか。しかしそれが後になって、SOU・SOUのスターティングメンバーとの出会いに繋がっていく。

人との出会いから、新しいブランドのコンセプトが生まれた

【若林】ちょうど21世紀になったあたりでしょうか、自宅の建て替えのために建築家を探していたんですが、そこで出会ったのが建築家の辻村久信さんです。辻村さんはSOU・SOUの店舗デザインや家具等のプロダクトデザインを担当しているんですが、テキスタイルデザイナーの脇阪克二さんを紹介してくれたのが彼なんです。
脇阪克二 辻村久信
脇阪克二さん(左)、辻村久信さん(右)
【若林】脇阪さんは、フィンランドのマリメッコ社やニューヨークのラーセン社でテキスタイルデザイナーとして活躍した方ですが、彼に今までの作品を見せていただいて、本当に時代を超越したデザインだと驚きましたね。「こんな生地を使って何か創れたら、素晴らしいだろうな」とすぐに思いました。

この3人が集まったことによって、若林さんの頭の中でSOU・SOUのコンセプトが一気に明確になったという。それは、「日本の伝統の軸線上にあるモダンデザイン」を創ろうということだ。ヨーロッパやアメリカのコピーではなく、日本の伝統をきちんと見つめ直すこと。江戸時代なら江戸時代の、明治時代なら明治時代の柄や色遣いがあったように、「平成という時代ならではの柄」を創ろうという想いが生まれたのだそうだ。

脇坂克二さんのテキスタイル 脇坂克二さんのテキスタイル
脇阪さんのテキスタイルデザインから古いものを2つご紹介。
DA-N-DA-N』(1970年/左)、『』(1976年/右)
【若林】2002年にSOU・SOUを始めた頃は趣味で始めたようなもので、まだブランド名すらありませんでした。いいものを創りたいという意志はありましたが、それが売れるのかとか、周りにどう受け入れられるのかなんて全く分かりませんでしたから。東京店出店時にスタッフを募集したときにも、「日本の伝統をモダンデザインに……」という話を面接で話したんですが、みんな口をポカンと開けていましたからね(笑)。でも無理せずに自分たちができることを着実にやってきたのが、結果的には良かったんだと思います。

身につけるアイテムの場合、自分たちが欲しいものをつくるというのも大きなポイントでした。値段の安い粗悪品もいやだし、どんなに良くても身丈に合わない高級品もいらない。そういうものは決して創りたくなかったんです。日常的に使えて、しかもデザインが素晴らしいものこそ最高、という考えが常に根底にありますね。

インタビューはまだまだ続きます!

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