CGWORLDでは、2008年8月号 vol.120から全10回にわたり、日本のCG・映像業界に新たな風を呼び込んでくれそうなクリエイター4組が月替わりで表紙グラフィックを担当する。4番手に登場するのは、神風動画だ。

『俺の空』by神風動画
ディレクション・素材撮影:水崎淳平、デザイン・美術:鈴木理恵、CGモデリング:大石直人
自分の“見たいもの”を追求する
同社オフィスの真下にある、営団副都心線西早稲田駅の未来像を、スチール撮影した実景をベースにCGで作成したトリ型の巨大建造物をレイアウトし、仕上げに同社が得意とするセルアニメ・タッチを施した本作。

鈴木氏が描いたラフ。スチールを原図として描くのは
今回が初めてだったそうだが、今後の制作に採り入れることを
検討したいと思うほど有効だったとか
実在するラーメン店や居酒屋の看板が並び、一度でも西早稲田(高田馬場)を訪れたことがある人なら思わず、ニヤリとしてしまう「イタズラ」が随所に施されている。その極めつけが、『俺の空』というタイトル! 高田馬場屈指の人気ラーメン店の名前を付けてしまうとは恐れ入る。

右から水崎淳平氏(代表取締役/演出)
鈴木理恵氏(アートディレクター)以上、神風動画。
後ろに見える風景が本作のベースとなった西早稲田の実景
いたずらっ子の頭の中を具現化させたような作品だが、実際に日頃から大切にしているのが「遊び心」なのだという。「塀の上に積もっている雪を傘で落とすといった、大人になると世間体から止めてしまう行動をいつまでもしてやる! という意地ですかね(笑)。とにかく、色々とふざけたことして遊んでいると突拍子もないアイデアが思い浮かぶんですよ」(水崎淳平氏)。

本作はスチール写真を原画に位置づけて
制作された。画像はベースとなったスチールに
CGのワイヤフレームを重ねたもの。
スチールと手描きラフのパースを合わせるのに
苦労したという
技術の習得にばかり目がいきがちなCG制作だが、やはり一番大切なのは豊かな感性なのだろう。そんな水崎氏が制作する上で信条としているのが、「見たことないものではなく、見たかったものを作る」と「妥協は死」の2つ。
「独創性と言うと、『見たことがないもの』と考えがちですが、表現者としてはそれでは足りないと思うのです。やはり明確なイメージを抱き、さらに『これでいいや』と最後まで思わずに追求してこそ、良い作品が生まれるのではないかと」(水崎氏)。
遊ぶだけでなく、表現者としての確かな哲学を持つ水崎氏の創作姿勢に、ものづくりの原点を感じた。
関連リンク
CGWORLD表紙グラフィッククリエイター バックナンバー
神風動画
月刊CGWORLD11月号(掲載号)
DVD『東京オンリーピック』
RED/GREEN/BLUE 各3,150円、劇場未公開シーン満載の超永久保存版。3枚に特典ディスクがついた限定版『東京オンリーピック 金メダルBOX』も同時発売(9,450円)
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