2006.04.21

対企業アピールポイント~CG編 ♯1

イメージ:対企業アピールポイント~CG編 ♯1

ゲーム業界志望の方必見! (株)セガ AM研究開発本部第二AM研究開発部マネージャー、安達利幸さんに聞く企業へのアピールのコツ。第1回。

ゲーム業界を目指す方であれば、ゲームセンターの「バーチャファイター」で熱い戦いをした体験が一度ならずあるでしょう。今回は、同ソフトの開発元である株式会社セガ AM研究開発本部第二AM研究開発部マネージャーの安達利幸さんに、採用側の考え方、ポートフォリオのまとめ方など企業へのアピールのコツを語っていただきました。ゲーム業界にチャレンジする方は必見です!

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【Q】 たくさんの書類の中で面接にこぎつけるためのキモは何か、教えてください

【A】 まず良い作品ありき!!
職歴、履歴書なども見ますが、なんと言ってもまず作品。その人のスキルがきっちりわかるような作品を出してもらえると、作品レベルが高い場合は、とりあえず面接してみようかという話になります。もしその部署で今募集をしていないとしても、他の部署で要望が挙がっている場合があるので、そちらに紹介しましょうということになりますね。作品レベルが高ければ、とりあえず面接にステップを進める流れが出来やすいです。

【Q】 作品集(ポートフォリオ)のまとめ方のコツは?

【A】 5つポイントがあります。

  • 自信のある作品だけポートフォリオに入れること

ポートフォリオの作品数については、数が少なくても良いものをかっちり出してくれた方がいいです。中には数をそろえようとして、あまり良いレベルではない作品を混ぜる人がいますが、それは逆にマイナス。『この作品はよくないよね。作成時期が違うのかな?仕事にムラがあるのかな?』と不安視されてしまいます。

いい作品を10枚そろえてポートフォリオにしようと思っていても、6枚しかない場合はそれでいいのです。良い作品であれば面接してみようという気になるし、これだけできるのであれば、もっと他にあるかもしれないから面接で聞いてみようと、プラス思考で面接に臨めます。マイナス面を見せられると、ひょっとしたらダメかもという先入観で面接してしまうものです。他の人より自信を持てるという部分をしっかりポートフォリオで出してくれるといいですね。これが新卒の場合であれば、ポートフォリオ100枚出しましたというのが「やる気」に見えることもあるんですけどね。

  • ポートフォリオをキチンと作れる人=ゲームのデータがキチンと作れる人

ゲームはデータが正確であるということがとても大切です。2Dインターフェイス系では1ピクセルのずれにも気を使い、3D系でもコリジョンまわりやモデルデータの最適化など、CGムービーとは違った注意点が多いのです。作り始めるとデータの詳細までは見てまわれないので、本人に任せているところが多いですね。

ポートフォリオの作り方がきっちりしている人は、実制作でもデータの整理の仕方がかっちりしている人が多く、雑な人はデータもやはり雑なことが多いです。そのため、ポートフォリオの要素やプリントの配置など、カッチリと作られたポートフォリオには良い印象を受けます。自分自身の作品をアピールするのですから、ファイル自体のデザインや表紙などにもこだわりをもってポートフォリオをまとめると良いですね。

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※画像をクリックしてみてください。

  • キャラクターモデルはワイヤーを表示させてスキルをアピール

同じ作品をカメラの角度別で10も20も提出されても意味がありません。しかしテクニカルスキルをアピールする手段であればアリです。例えば前と後ろから見せて、形状的に破綻していないかわからせる意図があればいいのです。

キャラクターモデルは、ワイヤーフレームを見せてもらうことによって、動かしても破綻しないかどうかを考慮して作ったかどうかがわかります。関節のところをいい感じで割っているとか、ラインの位置がしわのできる位置にあっているかどうかなど、ポイントを押さえて作っているかどうかがわかります。

面接前から採用担当者の間では、『これだけきれいなモデルでコレだけきれいなデータだとこの人使えるよね』ということになります。なんとなく作り上げて、顔のかわいさだけこだわりましたというのはダメなんです。

  • テクスチャーでアピール

ゲームの実機でも、ノーマルマップやイメージベースドライティングなど、シェーダーによる表現が上がってきていますが、背景などテクスチャーに依存する部分も多いので、描き込まれたテクスチャーもいいアピールになります。

特に第二AM研究開発部ではリアル指向系のものが多いので、手描きのものであっても写真を加工したものであっても気にしません。実際の現場でも写真を加工しながらやりますので、まぁ描けなければダメなのですが、その作品を見せるのにより最適なやり方ができればいいと思います。 写真だけでテクスチャーを作っている場合は、コラージュのようにただ貼っただけに見えるのではなく、人物ならより人間らしく、背景なら実際にそういう場所があるかのような質感を目指していただくといいですね。

背景作品などで、たまに地面や山などの自然物のテクスチャーがある箇所で繋がらずに切れていたりすると、クオリティへのこだわりはそのレベルなのかとなってしまいます。より自然にみえるようにこだわることが大事ですね。

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※画像をクリックしてみてください。

  • 基礎アニメーションをプラスしてアピール

アニメーションを希望される方は、アニメーションファイルをアニメーションのチームに見てもらいます。パンチやキックなどのよくあるアニメーションでは、スピードや技のダイナミクスさでごまかしがききますが、日常生活での動き(歩き、走り、床から立ち上がる)などが違和感なく作成できているとポイントが高いです。ロボットやデフォルメキャラは余程すごいアニメーションでないと第二AM研究開発部では面接しません。

「テクスチャーでアピール」のところでも述べましたが、自然に見えることは、実は非常に高いスキルが要求されます。極端な話、アニメーションならただ立っているだけを表現したアニメーションで、本物の人間?と思えるようなモーションは最高です。手付けでそういった物を作るのは実際には困難ですが、そういうものを目指して作品作りをすると良いですね。

次回は履歴書や面接について、採用側の立場からお話していただきます。ご期待ください!

(デジタルスケープ 中路真紀)

関連リンク

対企業アピールポイント~CG編 ♯2
対企業アピールポイント~CG編 ♯3
セガ公式サイト

安達利幸さんプロフィール

(株)セガ
AM研究開発本部第二AM研究開発部マネージャー
アーケードゲーム主体の第二AM研究開発部において、プロジェクト単位のデザイン統括や第二AM研究開発部全体のデザイナーのとりまとめをおこなう。主に携わったプロジェクトは「OutRun2 SPECIAL TOURS」、「バーチャファイター5」など。
http://sega.jp/

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