「なんで働くのか」という問い
就・転職活動の選考でも上司との面談でも、「どんな仕事をしたいか」とか「どんなふうに働きたいか」といった質問はよく受けるもの。何らか自分なりの答えを考えたことがある人が大半だと思います。では、「なんで働くのか」についてはどうですか?
こういう“そもそも”系の質問って改まって人から訊かれることも少ないから「そんなの考えたこともないよ」という人も多いかもしれません。じゃあ今!訊きます。ズバリ、あなたの「働く理由」とは?
「お金のため」プラスα
単純明快なのは「お金のため」ですよね。生計を立てるため、遊ぶための資金、家族のため、将来のための貯蓄、多くは望まないけど今の生活レベルは維持したい、などなど労働の対価として得る“お金とその使い道”に価値を置く。
これとセットで、個々に
- 自己実現
- 社会貢献
- 張り合いがほしい
- 仕事が好き
- 自分磨き
- 暇つぶし
…といった、お金と並存する理由を持ち合わせている感じでしょうか。そのバランスの度合いも人それぞれでしょう。
大金持ちになっても仕事をするか?
「じゃあ宝くじが大当たりしたら仕事辞める?」というと、「そりゃ当然!」という人もいるでしょうけど実際なってみたら…、どうでしょうね。私はそうなるのが怖くて宝くじを買ったことがありません(って無駄な心配)。
最近読んだ本にはこうありました。「人はどんなに大金持ちになっても、なんらかの形で働こうとする生き物だろう。お金持ちはお金持ちなりの仕事を、自分でつくり出すはずだ」と。
働き方研究家、西村佳哲さんの『自分の仕事をつくる』から。この“金持ちも働く”論を根拠づけるくだりが実に的を射ていると思ったので、要約してご紹介します。
仕事とは、社会の中に自分を位置づけるメディアだ。人間が社会的な生き物である以上、生涯における「仕事」の重要性は変わらないだろう。自分が価値のある存在であり、必要とされていること。こうした情報を自分に与えてくれるのが仕事。あらゆる仕事はなんらかの形で、その人を世界の中に位置づける。
だから“金持ちも働く”のだと。逆に言えば、金銭的に満たされて仕事を辞めたら「仕事を通じて誰かから必要とされる」ことがなくなる。人や社会とのつながりが薄れ、自分を価値づける情報から遮断された状態になる。それでもあなたは生きていけますか?という問い。これは「自分にはこれという働く理由がない、だから働く気になれない」という人にも意味深い話ではないでしょうか。
ちなみに仕事というのは「会社員」の仕事に限りませんし、金銭という形で報酬をもたないものも含まれるでしょう。社会的に担う役割として「仕事」を広義に捉えると、人が生きていく上で、仕事は必要不可欠なものだと思えてきます。
もっと前のめりな「働く理由」のありか
ただ、それだけでは「働く理由」として物足りなく感じられるのも正直なところ。そうしてもっと前のめりな「○○のために!」って理由を模索しだす。するとどうも、将来の目的達成を意図したものでなければ!といった縛りが起こりやすい。しかし、果たしてこれは絶対的なものなのでしょうか。
「人生には、それ自体に価値のあるものが、とてもたくさんあります」とは、ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデの言葉。「何かのため」でなく「それ自体が楽しい」仕事、「いつか」ではなく「今」の充実を積み重ねる仕事に意味を見出す視点も大切だと思います。じゃないと楽しくないし。
「今」も大事な人生のうち
人生は「今」の積み重ね。いつまで続くかすら知らされていない人生で、「今」をそうないがしろにしてはもったいないな、と思います。全部を「今」に捧げるのは極端に過ぎますが、「いつか」でなく「今」の充実感や心地よさを希求すること、それが「働く理由」に通じていくよう意識を払っていくことも大事。年始掲げた目標もあれこれあると思いますが、「未来の自分のため」「今日の自分のため」の両軸をもって仕事を重ねていきたいものです。
“何かをやる理由”って、どこかで一度根源的なところから考えておくと、目先の理由が心もとなくなったときにも、それを下支えする理由が自分を支えてくれるものです。今回はかなり役に立つような立たないような話に終始しましたが…、次回以降はもう少しすぐ役立ちそうな話を取り入れたいと思いますので、今年も懲りずによろしくお願いします!
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