弱点の克服か、強みの強化か
弱点を克服すること、強みを強化すること、あなたはどちらに力点をおいていますか? 日常の中では、自分ができていることより、できていないことのほうが目につきやすく、人からも指摘されやすいもの。また遠い昔から「弱点を特定し、それを一つずつ地道に克服していけば成長できる」と教えられてきたような気もする…。私たちの日常は、“強みの強化”より“弱点の克服”を動機づける機会にあふれているような気がします。
もちろん、弱点の克服は失敗を回避するために欠かせないものですし、一定水準まで満たしていないと事が進まないものも少なくありません。しかし、弱点A、弱点Bとしらみつぶしに自分の弱点を克服していったとしても、それは“それなりの集合体”にしかなりません。すべての時間を弱点の克服に費やして、ものすごい頑張った割りに“全部それなり”で一生が終わってしまったら、ちょっと(どころでなく)もったいないですよね。
強みと弱みはまったく異質のもの
マーカス・バッキンガムとドナルド・O・クリフトンは、著書「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう あなたの5つの強みを見出し、活かす」において、“強みには強み独自のパターンがある”として、次のような主張をしています。
自ら選んだ分野で並はずれた才能を発揮し、常に満足を得るには、その強みのパターンを知らなければならない。自らの強みを発見し、顕在化させ、活用する術を身につけなければならない。
つまり、自分の強みを活かして人生を愉しみ尽くすには、弱点を克服するのと別のアプローチで、“自分の強みに即した”独自のアクションをとる必要があるってことです。
「いや、そもそも“並はずれた才能を発揮したい”とか、そんな熱いこと思ってないから…」という人もいるかもしれません。そういう価値観もあっておかしくないわけですが、その中でもし「才能なんてもともと一部の人にしか備わってないんだから」っていうのが前提になっている人がいたら(それが覆されるなら話は別ってことなら)、そんな方もぜひ先を読み進めてみてください。
「才能」は誰もがもっている資質
まず「強みとは何か」を確認してみましょう。同書では、このように定義しています。
- 「強み」とは“常に完璧に近い成果を生み出す能力”
- 技術と知識を使って天性の才能に磨きをかけると、強みになる
- 技術と知識は学習と経験によって身につけられるが、才能は天性のもの
となると一層、「だから“才能は天性のもの”とか言われちゃってるじゃん」と思うかもしれませんが、ちょっと待った!です。
誰かに「あの人ってどんな人?」って訊かれたら、「おせっかい」とか「頑固者」とか「神経質」とか、何かしらその人となりを表す言葉が出てきますよね。こういった性質は、時と場合と、度合いとか見ようによっても、「面倒見がいい」とか「一度決めたら最後までやる人」とか「細やかで慎重派」と長所に言い換えられます。
人はそれぞれに“無意識に繰り返される思考・感情・行動のパターン”をもっているもので、同書ではこれを「才能」と定義しています。つまり、そこに良し悪しやレベルの高低はないわけです。そう考えると、「強み」は誰もが持っているわけでなくとも、“強みになる前の”「才能」は誰もが持っているものと考えられますよね。
この才能を特定して意識的に磨き上げられれば、弱点を磨き上げるよりはるかに能率的に、また他の人が身につけるよりはるかに効率的に、すべての人が“常に完璧に近い成果を生み出す能力”に向かえるのではないでしょうか。
強みの磨き方
自分の人生を“それなり”に留まらせないためには、以下のプロセスを踏み、“常に完璧に近い成果を生み出す能力”になるまで自分を磨き上げればいいということになります。
1.自分の強みの源を見つけ、自分の才能を特定すること
2.その才能を軸に知識や技術を身につけ、実践と学習を通して才能を育てること
3.その才能が発揮される場を自分に与え続けること
しかしまぁ実際やってみようとすると、これが難しいんですよね…。まず「自分の才能を特定する」ってところで出鼻をくじかれる。なんといっても「才能」は“無意識”のもの。自分が「当たり前」と思ってやっていることで、みんなも当然やっていると思っていることなので、自分ではとても発見しづらい。だからこそ、見つけるのが簡単な“弱点の克服”に流されやすいわけですが、ここで負けてはいけません。
次回は、「才能の見つけ方」についてお話を続けたいと思います。お楽しみに。
関連リンク
キャリアデザインのススメ バックナンバー
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう あなたの5つの強みを見出し、活かす (Amazon)
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