今月のQ&A
【Q】カフェのロゴを制作することになりました。
【A】制作から納品、制作物の権利譲渡などについて必要事項を契約書に記載します
今月の解説
通常、ロゴとは、ロゴタイプとロゴマークの両方を指します。ここではカフェのロゴですから、いわゆる店名ロゴタイプでしょう。ロゴタイプの制作依頼=発注は、通常そのネーミングが決まった段階で行われます。
店名ロゴの発注には、店のオーナーからの直接発注と、店鋪設計・施工をする建築事務所や広告代理店などからの間接発注があります。
いずれの場合も、とかく口約束で受諾~制作しがちですが、ロゴ制作は商取引ですから、トラブル回避からも必要事項を契約書として取り交わすことが大切です。契約書に不馴れな人は、「覚え書き」でもかまいません。必要事項を簡単に箇条書きし、それに双方が署名・捺印した文書を交わしておきましょう。図に契約書に盛り込む内容を列記しましたが、この中から必要と思う項目についてのみ記載すればよいでしょう。

まず、制作したロゴの権利譲渡に関する事項はもっとも大事です。
ロゴタイプ制作では、使用許諾権のみの譲渡とするケースもたまにありますが、売り切り=著作権譲渡が一般的です。これは、使用者が幅広い財産権を保持していないと、制作者に使用許諾などの確認を逐一することになり、とても不自由だからです。そこで、依頼主は多少高めの対価を支払ってでも著作権譲渡契約とするのです。
とくにカフェのロゴように、使用範囲が限られる場合は、制作者が著作権を保有する利点が少ないため、より高い対価が得られる著作権譲渡がほとんどです。ただ、著作権(財産権)譲渡でも、著作者人格権は制作者に帰属します。もちろん、著作権が認められるのは、すでに紹介したとおりロゴであっても著作物の要件を満たしていることが前提です。
つぎに大事なのは、譲渡料金とその支払いに関する事項です。
通常、料金は納品が完了してから請求し、現金または手形で支払いを受けますが、着手時に内金の支払いを求めることもあります。これは発注元の支払規定にもよりますので、打ち合わせ時によく確認しておくことが大切です。
また、譲渡制作物の質的保証とクレーム対応に関する記載も大事です。
制作者は当然のことながら、譲渡したロゴに対しては、その創作性とクオリティに責任を負わなければなりません。もし類似や盗用など思わぬ指摘をされたときは、基本的には制作者が責任をもってその解決にあたらねばなりません。
そのほか、納品とその形態、補正や改変使用など使用規則についてもクライアントとよく協議し、必要とする事項についてお互いが了解して契約することが大切です。
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この連載はクリエイターに必須の知的財産権の知識をQ&A形式で紹介する連載です。講師は、印刷、グラフィック、タイポグラフィ、イラストなど各分野の法律の専門家。Web版ではアーカイブを順次、全文紹介しています。デザインやDTPなどの制作業務に、ぜひお役立てください。
最新の内容は、月刊DTPWORLD2月号(Vol.128・2009年1月13日発売)でご覧いただけます。
関連リンク
クリエイティブのための知的財産権講座 バックナンバー(♯1〜6公開終了)
DTPWORLD 2008年7月号 Vol.121(掲載号)
DTPWORLD 2009年2月号 No.128(最新号)
大町尚友さんプロフィール
おおまち・しょうゆう●タイプディレクター。日本タイポグラフィ協会・監事。1941年広島生まれ。ライブクリエイション主宰。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科講師。
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