2007.08.06

操作性の向上が鍵

イメージ:操作性の向上が鍵

ボタンレス携帯電話の巻
UIからみるプロダクトデザイン ♯7
ヨッシー(CREPOTA)

バックナンバー

みなさん、こんにちは。ヨッシーです。すっかり夏らしくなりましたね。

さて、今回取り上げるテーマは携帯電話です。しかし、ただの携帯電話ではありません。北米ですでに発売され話題となったiPhoneに代表されるボタンレスの携帯電話について、ユーザーインターフェイスデザインを中心に見ていきましょう。

ボタンレス携帯花盛りの様相

iPhoneの登場により注目されることになった、ボタンレス携帯電話。それより前に発売されていたものとしては、韓国LGとPRADAのコラボレーションによる通称“PRADA携帯”があります。


LG Prada Phone Demo(YouTube)

また、先日台湾htcからもTouchFLOという独自のタッチUIを搭載した、Windows MobileベースのSmartPhoneが発表されました。


HTC Touch - TouchFLO demo(YouTube)

iPhoneのそれと比べてしまうとインパクトは薄いのですが、テンキーやキーボードのないフルタッチの携帯電話です。この手の携帯電話の特徴は、電話やメール、カレンダーなどアプリケーションごとにダイナミックにユーザーインターフェイスが変化することです。ハードウェアのキー配置に依存しない自由な操作キーの配置、その他の操作要素が効率的に配置できるのが特徴と言えます。

それから、今後のユーザーインターフェイスのトレンドになりつつあるアニメーション付きのインタラクション。メニューの出現、リストスクロールなど動きのあるユーザーインターフェイスがもてはやされそうです。

また、コンセプトデザインのレベルでは台湾BenQがThe Black Boxという全面タッチパネルの携帯電話のデザイン(※関連ニュースサイトはこちらへ)を発表しています。こちらもアプリケーションごとにダイナミックに変化するユーザーインターフェイスが特徴です。ハードウェアのデザインも各社、各デバイスともに艶のある黒い直方体が多く、ボタンレス携帯のトレンドのようです。

特許で見るボタンレス携帯

Mobiface.comというサイトに4-way interfaceというボタンレス携帯に関する操作アイディアが記載されています。

具体的には画面の外側の4辺にアプリケーションを割り当てるというものです。たとえば電話帳を開いてある人の連絡先を、通話アイコンが描かれているあたりにドラッグアンドドロップすると電話がかかり、メールアイコンにドロップするとメーラーが起動するというものです。電話帳から必要なアプリケーションが一発起動できる、なかなか優れもののアイディアだと思います。

またAppleからは将来のiPhone、iPodを見越した特許が出されているようです。それはなんと、表裏両面タッチスクリーンを持つデバイスに対するインターフェイスの特許のようです。具体的な詳細はWebの記事からは読み取れませんが、メーカーはすでに未来を見据えているということでしょうか?

UIで考えるべきこと

iPhoneやPRADA携帯などタッチパネル携帯の基本は、“指”で操作できることです。指で操作する際の一番の問題点は、指で選択できる範囲が指の大きさ以下にはできないということです。スタイラスを使えば、少々細かくてもWebのリンクなども選択することはそれほど問題ではありませんでした。しかし、指で操作することを前提に考えると、今までのような画面デザイン、レイアウトでは操作できない箇所が山ほど出てくることでしょう。この“指”対策が、ボタンレス携帯の最も気を使うべきポイントだと言えます。

今年のCHIカンファレンスで発表されたMicrosoftの「Shift」というユーザーインターフェイスの技術があります。(プレゼンテーション文書デモンストレーションビデオ


Shift - Use Your Finger on a PDA(YouTube)

ビデオを見ていただければ一目瞭然なのですが、タッチパネルの性質上、指で隠れた部分が見えなくなってしまうことを防ぐため、指で隠れた部分をずらして表示します。さらに隠れた部分を拡大表示し、さらに新たに表示された画像内にポインターが出現するので少々細かくても対象を選択することが可能になっています。また、指が触れた際、対象の拡大表示が不要と判定された場合は、通常のタッチパネルの挙動になるという優れた考え方です。

スタイラス使用が前提だと、どうしても両手がふさがってしまいますが、指での違和感のない操作が実現できるのであれば、片手で操作できる端末がデザインできそうですね。

ボタンレス携帯の波が来る?

センサーを内臓したり、GUIの見せ方を工夫したりと、各メーカーは現在の携帯電話の姿の中でアイデアをしぼっています。しかし、iPhone以前と以後では明らかに端末デザインのトレンドが変わりそうな予感です。日本国内に限らず携帯端末メーカーはiPhoneを超える端末、あるいはまったく新しい切り口のインターフェイスを備えた携帯電話の実現を模索していることを、勝手に妄想している今日この頃です。でも絶対一波来るでしょうね。

それでは!

(CREPOTA ヨッシー)

関連リンク

UIからみるプロダクトデザインのバックナンバー
PRADA携帯
SmartPhone
台湾BenQ
Mobiface.com
CHIカンファレンス
Microsoft「Shift」プレゼンテーション文書
Microsoft「Shift」デモンストレーションビデオ

ヨッシーさんプロフィール

72年生まれ。デジタルハリウッド2期生として3DCGやデザインなどを学び、ソニー・コンピュータエンタテインメント、ソニークリエイティブセンターなどを経て、現在は某先端企業にてユーザー・インターフェース・デザイナーとして活躍中。美味しいものには目がない、いろいろやりたいタイプ。最近では尿酸値が気になるのでビールを止め、もっぱらワインと焼酎を愛飲している。
http://crepota.com/

このエントリーをブックマークする

このエントリーにトラックバックする

このエントリーのトラックバックURL
http://withd.jp/mt/mt-tb.cgi/1755


株式会社ロボット|クリエイターインタビュー |イマジカデジタルスケープ共同募集