2009.01.22
柳本浩市×徳田祐司 『DESIGN=SOCIAL』刊行記念トークショーレポート

柳本浩市氏(Glyph.)の著書『DESIGN=SOCIAL』の刊行を記念し、「デザインと社会とのつながり」をテーマに行われたトークショーの様子をお届け。
12月18日、月刊DTPWORLDの人気連載を書籍化した『DESIGN=SOCIAL』を記念し、青山ブックセンター本店でトークショーが行われた。
著者の柳本浩市氏は、自身で「Glyph.」(グリフ)という事業体を設立。趣味の延長でコレクトしたデザイン作品の知識を活用し、ライセンサー、メーカー、パブリッシャー、プロデューサー、キュレーター、コンサルター、エディターと、デザインに関わる多くの事業をほぼ一人でこなしている。ゲストは徳田祐司氏(カナリア)。広告系のデザインに携わりながら、学校の講師やpeace design project「retired weapons」を展開している。
クリエイティブの枠に止まらないプロデュース視点を持つ2人のトークショーは「デザインと社会のつながり」をテーマに繰り広げられた。こちらのビデオはトークショーの模様を全編収録したものなので、テキストとともにお楽しみいただきたい。
トークショーの模様(Google Video)
社会は「モダン」と「ポストモダン」の繰り返し
徳田氏が切り出したのは、ミクロ(=徳田氏)/マクロ(=柳本氏)というデザインに対する視点の違い。この指摘に対し、
と答えている。その上で社会を俯瞰する際には「モダン」(理性的)と「ポストモダン」(感情的)の価値が、時間軸に沿ってバイオリズムのように繰り返されていることをベースにしているのだという。
では現在は?となると、「紙の質感」や「ヴィンテージ」、「ほっこり系」といった感覚的な価値が認められているので多分に本能的。でも、もう理性的な兆しが表れている。

柳本氏(左)と徳田氏(右)
そんな柳本氏の考えに呼応するように、徳田氏は持続可能な未来を見据えた自身の活動『treasured trash project』の関連でパリに行った際、自分の作品性が「トレンド」だと評価された話を向けた。それをきっかけに、
【徳田】慈善活動に絡んだ仕事を企業と進める際、企業側の義務感が伝わってくる。その義務感が普通のことになっていけばいいのだけど。良いデザインを作れば稼ぎや投資につながる、といった経済上の恩恵が企業側に見えるとデザイナーとの距離が縮まるのは?
といったやりとりが展開された。CSR(企業の社会的責任)についての話の中でも、「デザイナーは経済構造を理解したうえでデザインをコントロールすることを意識すべき」と説く徳田氏に対し、柳本氏も「そういった事業では“儲けを考えてはいけない”という空気もあるけど、儲かって参入企業が増え社会が活性化するなら悪いことではない」とのやりとりが見られた。
お二人の話から、“売り手よし、買い手よし、世間よし”という江戸時代の近江商人がもった「三方よし」の経営理念が、現在のデザインと社会(経済)とを結ぶ具体的な動力として必要とされていることを実感した。
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