2009.06.15

CGプロダクションがB2Cサービスに挑む「DRAWIZ/ドロイズ」

イメージ:CGプロダクションがB2Cサービスに挑む「DRAWIZ/ドロイズ」

ディスバウンドディメンションの新たな挑戦

“親子のための”有料コンテンツサービス

興味深いWebサイトがオープンした。その名は、「ドロイズ」。3〜10歳ぐらいの子どもたちとその親世代をターゲットにした、オリジナル動画の配信を中核にした有料コミュニティサイトである。こう書くと、ありふれたサービスのように聞こえるが、プロデュースするのは、本誌でもお馴染みのディスバウンドディメンション(DBD)率いる尾小山良哉氏なのだ。

開国博Y150での公開風景

サイト名の「ドロイズ」とは〝drawing wizard〞の略語だが、〝描く魔法使い〞とは映像クリエイター、つまり配信されるコンテンツを作る自分たちを意味するのだという。DBDは、ポスプロのモウリアートワークスと業務提携したり、社内にFlameシステムを導入するなど、常に既成の枠に収まらずに独自の展開を行うことを心掛けてきたプロダクションだが、なぜコンテンツ配信というB2Cサービスを手掛けようと思ったのだろうか。

「僕は映像ディレクターだけど、既成概念に囚われずに活動しようと思っているんです。写真家としても活動したり、知り合いのスタイリストさんたちとアパレル通販サイトを立ち上げたりといった具合にです。そうした流れから本業の映像でもより積極的に発信していこうと思ったのがきっかけですね」(尾小山氏)。

ドロイズのトップページ
ドロイズのトップページ。ドロイズたち
(映像をはじめとするコンテンツ・クリエイター)が
住む世界をイメージしたデザインとのこと。
すでに動画視聴サービスを開始しており、
6月にはblogサービスがスタート、
7月にはWebストアもオープン予定だ

そこで思いついたのが、面白い面白くないをはっきり示す子供を相手に真剣勝負で上質なコンテンツを作る、そして自分たちで作品の権利を持って発信していくという「ドロイズ」であった。

さっそく実行に移した尾小山氏は、DBDでフルCGアニメ『夏の夜の出来事』制作に着手すると同時に、ディレクターとしての活動を通じて交流があった、振付稼業 air:man(エアーマン)、ファンタジックな舞台演出に定評ある劇団Pretty Pink Princess(PPP)に参加を呼びかけ、air:manとはリズミック作品を、PPPとは『ヘンゼルとグレーテル』の演劇作品の制作を開始。これらの作品でもクオリティとコストを両立させるべくDBDによって背景がフルCGで制作された。

フルCG短編『夏の夜の出来事』
本誌が注目するのは、何と言っても
フルCG短編『夏の夜の出来事』だ。
本業と併行して自主制作された本作は、
そのハイクオリティな映像が評価され、
2009年「宮城・仙台アニメーショングランプリ」で
見事グランプリを獲得した。
フォトリアルなCGの印象が強いDBDが
満を持して挑んだフルCG表現は一見の価値がある

その他にも『夏夜』に登場するCGキャラとイラストレーターをコラボさせ、読み聞かせ番組も制作するなど、プロジェクト始動からわずか1年で、コンテンツを揃えてしまった。尾小山氏のフットワークの軽さと巧みな連携術には感心しきりだ。

下請けに甘んじることなく、新たな価値を見出すべく活動を続けてきたディスバウンドディメンション。新たな〝武器〞を手に入れた彼らが、どのような展開を見せてくれるか楽しみである。

URLDRAWIZ/ドロイズ http://www.drawiz.jp/
制作クレジットエグゼクティブ・クリエイティブ・プロデューサー:尾小山良哉
運営:(株)dis
利用法月額380円で全てのサービスが利用可能。会員登録していない場合も3回までなら有料コンテンツを無料で視聴可能
(提供:月刊CGWORLD)

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