誰もが著作物を自由に利用できるルール作りを目指す国際的な非営利団体「クリエイティブ・コモンズ(以下CC)」。新たに発表されたCCライセンス、バージョン3.0からWebコンテンツの現状を考える。
相互互換性を高めたCCバージョン3.0
昨今、Web 上には「MADクリエイター」と呼ばれる人たちが増え、既存の商標付きコンテンツを組み合わせて作られた“リミックスコンテンツ”がユーザーに楽しまれている。だが一方で、著作権法に抵触する素材を使用した動画が多数アップロードされているというのも事実だ。
このようにWeb上で複雑化する著作権の現状に対しクリエイター自身が著作物の利用許諾範囲を決め、対応するマークを表示する方法を提唱・推進するのがCC、そして権利ルールのひな形として提示するのがC Cライセンスである。これは法律知識がなくても分かる解説付きで、二次利用者も許諾の範囲を理解しやすく、Webとの親和性が非常に高い方法と言えるだろう。
では、ユーザーに創作と公開の場を提供しているWebサービス事業者側はどのような対応を考えているのか。現在、動画共有サイトとして多くの利用者を抱えるニコニコ動画では「ニコニ・コモンズ」というサイトを別途立ち上げ、独自ライセンスを設けることで対応している。これはニコニ・コモンズ開設の際、当時のCCライセンス2.1ではまだ不完全な点が多いと判断したためという。
ニコニ・コモンズでは、個人・法人など各著作権者から提供された画像・音源などをID 管理し、ユーザーが著作権を気にすることなくその素材を同サイト向けの作品制作に使えるような仕組みを用意した。つまり自分で作成したCGアニメに音楽を付けて公開したいが、曲を作る技術もなければ著作権料を支払うお金もないといった場合、ニコニ・コモンズ上で提供されている音源から気に入ったものを探し、利用することも可能という訳だ。また、自作したCGアニメをニコニ・コモンズにライセンス登録しておけば無断で利用される心配もなくなり、さらにはそれを素材として二次利用したいという他のクリエイターとの交流も期待できる。
ただし注意しなければならないのは、このルールはあくまでも「ニコニ・コモンズ」内のみでしか適用できないことだ。YouTubeなどの外部サイトで公開する際には、上述したCGアニメであれば音源は利用できなくなり、また自作CGに付けたライセンスも無効となるため、無断で三次、四次利用されかねない。
シンポジウムにて登壇したクリエイティブ・コモンズ・ジャパン事務局員である国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員の渡辺智暁氏は、「サイトAで作ったリミックス作品を汎用性のあるC Cライセンスを取得して持ち出し、サイトB に持ち込むといった場合、このサイトBが独自のライセンスで運営をしていると、その独自ライセンスに従って持ち出したサイト、さらには使用素材に付いていたライセンスからも許諾を取らなければならないという、非常に不便な状況」と独自ライセンスの問題点を語る。これでは作品公開の場を増やしたいクリエイターにとって非常に手間と負担がかかってしまう。
そこで最新のCCライセンス3.0では現場のニーズを汲んで、各サイトが個別に規定しているライセンスの相互互換性を向上させている。CCの認知が高まることで、より使い勝手の良い著作権ルールの登場が期待できるだろう。
ニコニ・コモンズではYouTubeへの転載が盛んに行われているが、そこには運営サイドのどのような思いがあるのか。次ページで触れる。
1 2
このエントリーをブックマークする
このエントリーにトラックバックする
このエントリーのトラックバックURL
http://withd.jp/mt/mt-tb.cgi/3446
CGの新着記事
2009.06.22
MV界のキング・オブ・キングが大集結
2009.06.19
お手軽Web3Dメイキング 〜カエル作りで基本にかえろう〜
2009.06.15
CGプロダクションがB2Cサービスに挑む「DRAWIZ/ドロイズ」
2009.06.12
映画『20世紀少年』メイキング
2009.06.12







