昨年6月に全米視覚効果協会が公布したジョブ・タイトルのガイドライン。これを受け、邦画でも本ガイドラインに準じたクレジットを採り入れる動きが出てきた。
「CGデザイナー」から「デジタル・アーティスト」へ
昨年6月、全米視覚効果協会(通称VES)がジョブ・タイトルに関するガイドラインを公布した。これは、エンドロールにおけるVFX関係のジョブ・タイトル(肩書き)を、どのように表記すべきかをまとめたもの。本誌123 号ではこのニュースを取り上げ、日本のVFX業界での採用を呼びかけた次第だが、待望の本ガイドラインに準じてエンドロールを採用した2本の邦画が登場した。
はたして、それらのプロジェクトではどういった経緯からVESガイドラインを採用したの
だろうか。映画『バイオハザード ディジェネレーション(以下BD)』のCG制作を担当したデジタル・フロンティアのCGプロデューサー、豊嶋勇作氏は次のように語る。
「以前からCGデザイナーという肩書きは曖昧すぎるといった声は聞かれていました」。ところが、「CGデザイナー」という呼称に慣れてしまった日本では、英語圏で一般的な「デジタル・アーティスト」という言葉の響きにおこがましさを感じてたというのだ。

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「アーテイストという言葉に、どうしても口幅ったい印象があるんですよね(苦笑)。我々の監督のオーダーに応える、監督とのセッションを通じて表現を生み出していくという立場では、『クリエイター』と名乗るのが精一杯じゃないかと……。そうした意識から、肩書きは世界標準に合わせたいと思いつつも、有効な手立てが思いつかずにいたのです」。
そんな折、VESのガイドラインが公布されたわけだ。そこで同社では、手始めに分業制を採らないプロジェクトのスタッフ・クレジットを「デジタル・アーティスト」にまとめることにした。その記念すべき初作品が『BD』というわけだが、本作ではフルCG特有の悩みもあったという。
「VESのガイドラインは実写ベースのVFXを前提に作成されたものなのです。フルCGには当てはまらない肩書きが散見されたため、今回はピクサー作品のエンドロールなどを参考に、合わせ技で対応しました」。
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