11月19日から21日までの3日間、「音と映像と通信のプロフェッショナル展」と銘打ったInter BEE 2008が開催された。フルHD&デジタル化の進む放送業界の"今"を探る。
撮影から放送までのすべてが揃うがその幅広さが問題も生む
国際放送機器展/International Broadcasting Equipment Exhibition、略称「Inter BEE(インター・ビー)」は、放送に関するハードからソフトまでを一堂に会した展示会である。
放送には撮影・編集・配信という大きく分けて3つの工程があり、これまでにもInter BEEは時代の変遷に合わせた展示を行なってきた。ブロードバンドによる映像配信が盛んに行われている現在、放送というカテゴリーは大きく変化しつつあり、その現状がそのまま会場に詰め込まれていると言えるのではないだろうか。
昨年までのここ数年は、撮影機材のデジタル/ HD 化の流れがあり、またそれに伴う編集ツールや機材の対応が盛んに行われていた。一方、本年はデジタル放送のカウントダウンに先駆けて、放送システムそのもののデジタル化に焦点が合わせられていると感じた。IPベースでの中継システムや放送局側でのスイッチングといった部分については、実践的なデモンストレーションが行われる傾向にあり、実務レベルに技術が追いついてきたことを伝えていた。
しかし、一方でこれまでのInter BEEでは明らかに実務に追いついていない部分もあった。それは、撮影した素材の取り扱いについてだ。
すでに放送機材のデジタル化が進められてきた訳だが、素材の取り扱いについては旧来の「ハードディスクに保存」といった形態が採られ続けている。これは、従来テープチェンジの少しの間で撮影を続行できていたものが、カメラ内蔵のハードディスクからPCなどに落とし込む時間が必要になるということ。さらに言えば、PC のハードディスクにコピーされた素材はあるが、撮影した状態のまま保存できる場所や装置がない、ということでもあった。
確かにその場で直ぐにプリプロダクションができる、といったデジタルのメリットは大きい。しかし撮影だけを済ませ、後で編集をしたいという用途では容易に交換できないストレージの問題は非常に大きいと言えるだろう。残念ながら、撮影から放送までのデジタル化の華やかさの影で置き去りにされた問題なのだ。
HDカメラに対応した新しいストレージP2とSxSは「テープ」に代われるのか
しかし、漸くその答えが見えつつある。それはHDカメラで利用できるリムーバブルストレージの登場だ。今回のInter BEEでは、業務用のカメラのストレージとしてソニーから「SxS PRO」が、そしてパナソニックから「P2HD」がそれぞれ紹介された。
どちらもカード型のシリコンデイスクで、従来のメモリカードと同様に簡単に抜き差しできるデ
バイスだ。フルHD 化された映像を取り込む場合の問題としては書き込み速度の高速化が重要だが、SxS PROは800Mbps、P2HDでは1.0Gbpsまでに対応する。
まず、ソニーのSxS PROだが、カードの形式として同社のノートPCなどで既に搭載が進んでいるExpressCard/34を採用している。XDCAMEXシリーズで撮影した動画をカード単位で管理できるほか、その場でPC に落とし込むことも可能。ただし現時点では最大32GBの容量にしか対応しておらず、今後の容量の増加が待たれるところだ。

ソニー・ブースにおける、SxS PROカードのデモンストレーション。
PCとの連携についても実演していた
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