After Effectsのファイル検索機能強化やPremiere Proのスピーチ検索など、革新的な進化を遂げたAdobe CS4。そのねらいをアドビ システムズ担当者に尋ねた。
制作ツール自体にもインタラクティブ性が必要
先日リリースされた、Adobe Creative Suite 4(以下CS4)。前号にて、映像制作向け統合製品Production Premiumのレビューを行なったが、今回の新機能/強化機能を通じて、旧マクロメディアの技術とアドビ システムズ(以下アドビ)の既存技術が、「真の融合」を果たしたという印象がある。
例えばPremiere Pro(以下Pr)では、新搭載のスピーチ検索機能を使うことで、音声を自動的にテキスト化(しかもタイムコードとリンクさせた状態でだ)を実現。また、After Effects(以下AE)では、CS3で新装された検索機能をタイムラインパネルにも加えている。これらの技術は、オンライン向けサービスで培った技術を、従来型の映像制作ソフトにも組み込んだものと言える。
オンライン関連の技術の象徴が、Flashの技術だろう。現在、ネットストリーミングの方式で圧倒的なシェアを誇っているのが、Flash。アドビが今年6月に実施した調査によると、Flash 8の普及率はなんと99.1%にも達しているそうだ。
こうした状況を踏まえ、今回インタビューに応じてくれたダイナミックメディア部門シニアディレクターのサイモン・ヘイハースト氏は、「Flashが支持される理由のひとつに、OSに依存しない点があります。例えば、米メジャーリーグ中継のストリーミング配信の場合、従来はWindowsMedia方式だったのですが、これをFlashに切り替えた途端、250%もアクセス数が上昇したそうです。この流れは今後ますます強まると自負しています」と語る。

インタビューに応じてくれた、サイモン・ヘイハースト/Simon Hayhurst氏
(ダイナミックメディア部門プロダクトマネジメント シニアディレクター)
規格競争と言えば、Blu-rayとHD-DVDの争いが記憶に新しいが、オンライン配信の分野ではFlashがかなり有利と言えそうだ。
そして、10月15日には「Flash Player 10」をリリース。本バージョンでは、デザイナーや開発者向けに「Adobe Pixel Blender」と呼ばれるフィルタとエフェクト作成に関する技術を無償公開したのだが、このPixelBlenderはAE CS4でフィルタやエフェクトを生成させるものと同じ技術を用いているという。いわばCS4は、オンライン向けコンテンツ制作・サービスの分野でディファクトとなった技術を中核に据えたと言える。
「AEやPrは強いて言えば従来型のコンテンツ向けのツール。一方Flashは、ニューメディア向けのツールと言えるでしょう。Flashで培われた技術をAEやPrに組み込むことで、より幅広いコンテンツ制作を実現すると共に、作業効率の改善も図った、それが『CS4』なのです」。
数年前にFlashでテレビや映画コンテンツを制作することが注目を集めたが、今後はAEやPrでWebやモバイルコンテンツの制作がさらに進んでいく。そのためにはツール自体も「インタラクティブな操作」を実現させるべき、というのがCS4の開発コンセプトなわけだ。
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