コミカルな作風とCGのリアリティを両立
何気ない日常の空間に、なぜか体がステンレスで出来た母親が現れるというコメディタッチの
TVCM。これは日立PAMエアコン白くまくんのCM『ステンレス母』シリーズの作品だ。最新作『ステンレス母とミスト母』篇には、新たに体が水で出来た「ミスト母」が登場し、本作独特のシュールさがさらに増した。本作ではステンレス母とミスト母が完全に分業で作られ、花輪幸輝氏がステンレス母を、そして新登場のミスト母を畑中陽氏が担当した。
演出を手掛けたのは、コミカルな表現を得意とする山本憲司監督。そして要となるCGを担当したのが、水などの質感表現で高い評価を得ているナブラである。
CGWORLDの内容をお楽しみいただけるコンテンツです
この連載は、CG技術やトレンドを、放送業界の取り組みという観点から探っていくコンテンツです。Web版では概要のみ掲載しています。
より詳しい制作テクニックや工夫については、月刊CGWORLD3月号(Vol.127・2009年1月29日発売)で写真なども豊富にご覧いただけます。
まず両キャラクターのCGモデルを作成し、役者と同じ動きを付けた後にAfter Effects上でぴったりと重ねるのだが、撮影前に予め役者の顔と身体を3Dスキャナで取り込むことで、モデリングを大幅に効率化。また、実写撮影時には、CGディレクターの両氏が直接現場に立ち会い、監督と共にCGでの作業を考慮しながらポーズ等を思案したという。
さらに映り込み用のHDRIを作るため、縦横60度ずつ回転できる雲台を用いてカットごとに舞台を撮影した(HDRIはPanoweaverで生成)。その結果、撮影後わずか2週間という短期間で前作を超える多数のCGカットが完成したのであった。

左から、玉井仁氏(CGプロデューサー)、花輪幸輝氏(CGディレクター)、
畑中陽氏(CGディレクター)共にナブラ
本作で両ディレクターが最も意識したのは、役者の表情を最大限に活かすこと。金属や水の質感を作り込み過ぎると役者の表情を殺してしまうため、例えばステンレス母の顔に黒いソファ等が映り込まないようにHDRIをPhotoshopで敢えて加工したそうだ。
一方、ミスト母は体が透明なので、レンダリング時のプライマリとセカンダリの設定により、顔の向こう側にある自分の髪などを透過しないように調整した。また、両キャラとも、目と口の部分が実写素材のまま残され、表情を見えやすくするべく目の明度を意図的に上げている。







©Hitachi Appliances, Inc. 2008. All rights reserved.
「画として見せたい表現とCGが得意とするリアリティは、しばしば真っ向からぶつかりがちです。最終的にそれをどうコントロールするかが常に最大のテーマですね」と、プロデューサーの玉井仁氏は振り返る。思わずニヤリとしてしまう何気ないユーモアは、リアリティを見事に操るプロの技によって実現しているのだ。
| クライアント | 日立アプライアンス(株) |
|---|---|
| 広告代理店 | (株)博報堂 |
| 制作会社 | (株)東北新社 |
| ディレクター | 山本憲司 |
| CG制作 | (株)ナブラ |
関連リンク
株式会社 日立製作所
有限会社パノラマテクノロジー(Easypano Holdings Inc.)
アドビシステムズ株式会社
バックナンバー
月刊CGWORLD3月号(掲載号)
このエントリーをブックマークする
このエントリーにトラックバックする
このエントリーのトラックバックURL
http://withd.jp/mt/mt-tb.cgi/3296
CGの新着記事
2009.06.22
MV界のキング・オブ・キングが大集結
2009.06.19
お手軽Web3Dメイキング 〜カエル作りで基本にかえろう〜
2009.06.15
CGプロダクションがB2Cサービスに挑む「DRAWIZ/ドロイズ」
2009.06.12
映画『20世紀少年』メイキング
2009.06.12







