2008.10.31
“THE LOOONIES”(TRICERATOPS NEW ALBUM『MADE IN LOVE』)篇

2Dと3Dの共存で実現した疾走感
THE BROAD CASTER ♯6
2Dと3Dの素材をレイヤーとして重層化する
宇宙のどこかにある、音楽が禁じられた街にロックバンド「THE LOOONIES」がやって来た……。そんな本作は、TRICERATOPSのアルバム『MADE IN LOVE 』をビジュアル化する企画により実現。Perfume のMV等を手掛ける関和亮氏がアートディレクションを務め、まずアルバムのキーワードの1つである「宇宙」をヒントにイメージが広げられた。
その結果、主人公達が星々を巡るという壮大な物語が設定される。これを描き切るにはアニメが最適ということで、本誌99号でも紹介した『メタルギアソリッド バンドデシネ』(PSP)をはじめとする、独創的な表現で定評のあるSpooky graphicに白羽の矢が立てられた。
CGWORLDの内容をお楽しみいただけるコンテンツです
この連載は、CG技術やトレンドを、放送業界の取り組みという観点から探っていくコンテンツです。Web版では概要のみ掲載しています。
より詳しい制作テクニックや工夫については、月刊CGWORLD12月号(Vol.124・2008年10月29日発売)で写真なども豊富にご覧いただけます。
ディレクターを務めたハヤシヒロミ氏は、壮快な曲のイメージから疾走感溢れる映像に仕上げることを決意。そこで、カメラワークと奥行き表現に適したCGをベースに、個性的なセルのテイストを織り交ぜることにした。

左から、フジサワトミオ氏(キャラクターデザイン&ストーリーボード)、
ハヤシヒロミ氏(ディレクター)(共にSpooky graphic)、
関和亮氏(コンセプト&プロデュース/トリプル・オー)
具体的には、キャラクターは手描き(2D)、背景やマシンはCG(3D)で作成。その上で3Dの背景を多数のパーツに分けてレンダリングし、それらの素材をレイヤーとしてAfter Effects上でコンポジットする手法が採られた。つまり、3Dの素材を絵の下地と捉え、コンポジットの過程で本格的な画づくりを行なっているのだ。
そのため、光の表現に関しても、リアルなライティングで空間を演出するというよりは、輪郭がはっきりした平面的な光を3ds Maxで制作したり、After Effectsでレイヤーの合間にグローを重ねるなど、重層的な構成で描かれている。








Copyright THE LOOONIES ©TRINITY ARTIST・triple-O・GONZO ROSSO・tearbridge records
そんな本作では、質感の馴染みに加え、動きを統一するために工夫を凝らしたという。例えば、マシンがダイナミックに飛ぶ場面では、主人公達を3Dモデルに置き換えた上でシルエット処理された。一方、クライマックスのシーンでは、3Dのマシンに立ち、かつ3Dのギターを弾く2Dの主人公を、2秒以上に及ぶカメラのトラックバックに合わせて手描きで作画するなど、無謀とも言える演出に体当たりで挑戦している。
表現したいものをはっきりと見極めることで、ツールを効率的に活用でき、そしてツールに依拠しない表現への挑戦もまた可能となるのだ。
| 制作プロダクション | (株)ゴンゾロッソ (株)ギアチェンジ (株)リアルシングエンタテインメント (株)Spooky graphic |
|---|
関連リンク
TRICERATOPS
MADE IN LOVE(初回限定盤)(DVD付)
ゴンゾロッソ
ギアチェンジ
リアルシングエンタテインメント
Spooky graphic
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