2009.04.07
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 メイキングセミナーレポート

VFXクリエイターが語る、ハリウッド最新CGテクニック!
デジタル・ドメイン社 三橋忠央氏
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』はもうご覧になりましたか? withDでもご紹介している本作品は、80歳で生まれ0歳で死んでいくという運命を背負った主人公の物語です。
監督のデビッド・フィンチャーは、『セブン』、『ファイト・クラブ』以来、主演のブラッド・ピットと3回目のタッグを組むこととなりました。ブラットピットは80歳から0歳まで演じるわけですが、80歳の老人ブラピを演じたのは誰なのか、ブラピと似ている人を抜擢したのか、どのようにブラピの老人姿や子供姿を再現したのか……というトピックスが話題となりました。

©2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved.
今回、そのタネあかしをしてくれたのは、デジタル・ドメイン社のリード・テクニカル・ディレクター、VFXクリエイターの三橋忠央氏。3月8日、御茶ノ水にあるデジタルハリウッド東京本校にて、『ベンジャミン・バトン数奇な人生』(以下、ベンジャミン・バトン)メイキングセミナーが行われました。
数々のCG制作経験後、VFXに戻るためデジタル・ドメイン社へ
三橋氏は、カリフォルニアのAcademy of Art Collegeを卒業後、Manex Visual Effects社にて『ミッションインポッシブル2』や『マトリックス』の映像制作に携わり、ESC Entertainment社で、『キャットマン』『マトリックス・リローデッド』『マトリックス・レボリューションズ』など数々のメジャー作品の映像を数々手がけてきたベテランのクリエイター。
その後、フルCGの制作をPDI社で経験し、『マダガスカル』のエフェクトアニメーターとして活躍後、「やっぱりVFXに戻りたい」と思い、現在のデジタル・ドメイン社(以下DD)に転職されたそう。

デジタル・ドメイン社 三橋忠央氏
DDで『ベンジャミン・バトン』の直前に手がけた、ポップコーン「Orville Redenbacher's」のテレビコマーシャル制作が、『ベンジャミン・バトン』CG製作にあたり、とても役にたったそうです。このCMは、アメリカでは誰もが知るほど有名な創業者をCGで復活させるというもの。このCM制作のチームが、そのまま本作品に移って制作が行われました。
頭から下はブラピではない ~ハリウッドの最新技術を活用
本作品で80歳から0歳までを演じるブラピですが、80歳から60歳までは実写のボディにCGのヘッドを合成しています。頭から下はプラピではなく、違う役者さんの体なのです。

©2008 Paramount Pictures Corporation and Warner Bros. Entertainment All Rights Reserved.
主人公の、35年にわたる人生のために用意されたボディと合成されるCGへッドは、60種類にも及びました。CG制作は約2年あり、初期から携わったのは30人くらいですが、参加した総スタッフは約150名にのぼります。その中には18ヶ月にわたり、目だけを制作していたスタッフもいたそうです。
一番の見所は「バーチャルヒューマンのバーチャル散髪」のシーンなのだそう。これはCG業界初の試みで、切った髪の毛もリアルに表現されています。
次ページでは、具体的なメイキングの一部をご紹介します。
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