2008.12.11
デザイン・ビジュアライゼーションセミナーレポート

11月12日御茶ノ水デジタルハリウッドにて「広告・プロダクトデザイン業界を変える新たなCG活用法について」をテーマに開催されたOPEN-iセミナーの様子をお届け。
キャンセル待ちが出るほど人気を博した当セミナー。「デザイン・ビジュアライゼーションで新たなキャリアを築きませんか?」をキャッチフレーズに、二部構成で開催された。
デザイン・ビジュアライゼーション(以下、デザインVIZ)とは、広告映像やシミュレーションに高度な映像技術と演出を組み合わせた新しい分野だ。今、建築、製造系のシミュレーションや広告映像において、デザインVIZが求められているという。Autodesk Design Visualizationウェブサイトでは様々な活用法が見られるので一度のぞいてみて欲しい。
開催されたイベントの詳細についてはこちらをご覧ください
デザイン・ビジュアライゼーションの有用性
第1部は(株)オートデスクの宋明信氏が登壇し、Autodesk 3Dソリューションを活用したデザインVIZの豊富な制作事例と最新のCGの活用法について語った。
ハードウェアやアプリケーションの進化や価格が下がってきた等の理由で、最近ではあらゆる場面でデザインVIZが使われるようになってきている。例えば広告をとってみても、素のままの写真を使用するのではなく、メッセージやストーリー性のあるものが求められてきているという。

IMAGE COURTESY OF With a Twist Studio
建築シミュレーションでは、ウォークスルーだけではもう古く、絵コンテを作ってきちんと演出を入れたムービーを作るようになってきているとのこと。静止画だけではなく、より魅力や雰囲気やメッセージが伝わる動画が求められるようになってきているのだ。
海外における建築のデザインVIZは、グリーンバックを使って人間を撮影し合成する手法は当たり前になってきており、実写の合成だけではなく、大規模なムービーではゲーム同様3Dで人体を作って合成することもあるという。このような、ハリウッド映画産業と同様の手法を用いた事例も多いそうだ。
様々な業界の技術や人を取り込んで進化
デザインVIZのCG制作において、カメラの動きなどは映画から学ぶことが多くあるという。また建築家、プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナーは、誰でもCGムービーの制作者になりうるという話が印象的だった。様々な業界の人が入り混じり、デザインVIZという分野が確立されつつあるのだ。
映画やアニメーション制作から受け継がれるテクニック、例えば絵コンテ、色調補正、効果的なエフェクトやサウンドなど、多くが役立つという。例えば写真家の知識である、光や色調、スケール、構成、ライン、ホワイトバランスなどは、デザインVIZにおけるCG制作に非常に参考になるそう。

将来のデザインVIZを示唆するものとして、宋氏はあるデモを披露してくれた。AI(人口知能)を組み込んだCGモデルが、建物の中を最短距離で移動したり、障害を判別して動き回る映像である。今後は、CGテクノロジーの中でも一番高度なゲームテクノロジーが、デザインVIZに取り入れられていくという。
今、CGが求められるワケ
第2部は「CGフォトグラファー その魅力とスキル」というテーマで、(株)パーチの長尾氏が、広告業界や製造業界で求められる「CGフォトグラファー」の仕事について語った。

これまで実物の商品を撮影して制作していた広告やカタログ用のビジュアルが、CGに置き換えられていくという流れになってきているという。その背景には、商品発表会で使用する製品写真が、商品開発が間に合わないためモックを作って撮影に対応しているが、そのモック制作には1ヶ月程かかってしまう。それならばCGで作ったほうが早い。
また、商品紹介ウェブサイトでフラッシュ、ムービー、WEB3Dなどを求められる場合もある。例えば車はバブル期にはロケで撮影していたが、最近は車と背景を別撮りして合成するのが主流となっている。家具の撮影も、大きな家具を搬入していては費用がかかってしまうため、CGで背景を作ることが増えてきているらしい。
そこで求められるのがフォトリアルな3DCGの制作力。カメラマンの「商品を魅力的にみせる」スキルが、CG制作にも必要とされている。ビジュアル全体の品質を管理するフォトグラファーの役割を担うための、新たなスキルがCGクリエイターに求められているのだ。
CGフォトグラファーは魅力的な仕事になる!
デザインVIZの分野において、このような仕事をしていくことのメリットについて以下が挙げられた。
- 広告業界の中で地位が高いカメラマンと近い立場になれる
- 制作期間が短いのでモチベーションが続きやすい
- 新製品の情報にいち早く触れられる
- 安定した仕事量が見込まれる
- 地方と都市での仕事の差がそれほどない
具体的なキャリアシフトについては、ゲーム制作会社から大手自動車メーカーのプロダクトデザイン部に転職した人の例に、ゲームCGのスキルをプロダクト業界で花開かせることもあると話した。また、ゲーム業界やゲーム学科から大手写真プロダクションのデジタル制作部へ就職する人も増えているそう。写真に興味があったり広告に興味がある人は、カメラマンと協業しつつ現場で教えてもらうことがスキルを上げる近道だそうだ。

そのほかにも、DTPの分野から大手印刷会社のデジタル制作部への転職など、他業界からの転職は多いそう。これからデザインVIZは、CGクリエイターの新たな活躍の場として、ニーズが拡大していくかもしれない。
関連リンク
このエントリーをブックマークする
このエントリーにトラックバックする
このエントリーのトラックバックURL
http://withd.jp/mt/mt-tb.cgi/3141
CGの新着記事
2009.06.22
MV界のキング・オブ・キングが大集結
2009.06.19
お手軽Web3Dメイキング 〜カエル作りで基本にかえろう〜
2009.06.15
CGプロダクションがB2Cサービスに挑む「DRAWIZ/ドロイズ」
2009.06.12
映画『20世紀少年』メイキング
2009.06.12






