2008.10.10

プロダクション I.G石川社長インタビュー ♯1

イメージ:プロダクション I.G石川社長インタビュー ♯1

10月6日から始まった「劇的3時間ショー」。今回は14日に出演される、プロダクション I.Gの石川光久社長のインタビューをお送りします。

「劇的3時間SHOW」は、有名クリエイターや監督が3時間ぶっ続けで語るというすごいイベント。今回初めてイベントに臨むプロダクション I.Gの石川光久社長にインタビューしてきました。

「劇的3時間SHOW」についての詳しい情報は、こちらでご覧いただけます。

プロダクション I.G(以下、I.G)は、日本が世界に誇るアニメ制作会社の一つ。『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』が第65回ヴェネチア国際映画祭オフィシャルコンペティション部門にノミネートされるなど、海外においても高い評価を得ています。大ヒットした映画『マトリックス』は、I.Gが制作した『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』に大きく影響を受けたことは有名なエピソードですよね。

(C)2008 森 博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会(画像の無断転載禁止)
©2008 森 博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会

I.Gは下請けとして制作するだけではなく、上場を果たし、映画の製作委員会にも参加するなど、ビジネスの面でも独自の道を歩んできました。

アニメ業界のあり方を自らの力で革新し、精鋭のクリエイターを率いる石川社長のインタビューをどうぞ!

決断をするときには捨てる勇気が必要。

【Q】劇的3時間SHOWに参加することになったきっかけを教えてください。

【A】僕に回ってきたということは、いろんな人のところを回ってるのかなと。どうにかしないとと思って(笑)。頼まれたことは断われないというか。そのときは3時間もしゃべるイベントとは思ってなかったですけどね。でも今年もすごい出演者ばかりで、逆に僕でいいのかなと。

【Q】社長としての役割ってどういうことですか?

【A】社員たちが僕のところに来るってことは、結論が出せないから相談にくるんですよ。これまでも、どちらもリスクがあるような状況で選択しなければいけないことが何度もありました。そのときには『欲張らない。そして追いかけない』。決断しなければならない時、今までやっていたことを継続して何かしようとすると失敗する。捨てる勇気が必要ですね。

その意味でも一番大きな決断は独立して会社を起こしたとき。振り返ると、今まで4回くらいは会社を潰してきた感じがします。会社って5年10年くらいが限界だと思うんですよ。まず5年で潰すんだくらいの信念を持って会社を経営していかないとダメだと思う。

『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』 (C)2008 森 博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会(画像の無断転載禁止)
『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』
©2008 森 博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会

【Q】そうするとI.Gは3年ごとに過去を捨てて生まれ変わっているとも言えそうですね。これからのI.Gについて教えていただけますか。

【A】5年10年後の夢はないんだけど、3年先の夢はありますね。今あるものに関して具現化しないといけないと思っています。3年後に出る作品というのがこれまでのI.G作品の中で集大成というか、I.Gの代表作と言われるような作品になる。攻殻機動隊? これはまだ代表作じゃない。この作品は今、僕の中で妄想中。もうすぐ構想になるけどね。

もちろん来年も2年後も作品はありますよ。ホップステップジャンプという感じで。良い作品を世に出すことで、優秀なクリエイターたちが集まってくる。どんな作品を世に出すかなんですよ。I.G設立20周年といってもホテルでパーティーとかそういうものには興味はないですね。過去には興味がないんです。

日本のアニメーション業界全体が上がっていかないといけない

【Q】3年後の代表作についてもっとお聞きしたいのですが、これは劇的3時間SHOWで(笑)。それでは日本のアニメーション業界の今後はどうなるのでしょう?

【A】今3年後ということでI.Gのことをお話しましたが、このアニメーション業界でI.Gだけが儲かるなんてことはないんですよ。業界全体が上がっていかないといけない。制作者はこの企画に1年なり2年なりに命をかけるんですよ。次の世代に影響を与える作品を出さないといけない。

僕はアニメ業界っていうのはずっと低空飛行だと思っている。これからは土台作りではなく、設計書を見せて家を作らないと。基礎、土台作りを20年もやってきたんだから、それは世界に通じるものになると思う。

石川社長
日本のアニメについて熱く語ってくれた石川社長

【Q】次の世代が影響を受ける作品を作ることが大切なのですね。I.Gの作品の中で一番思いが強い作品を教えてください。

【A】下請けのときに作った作品で、エスパー魔美の「雪の降る街を」ですね。原作が藤子・F・不二雄さんで演出が貞光紳也さんの作品。やっぱり藤子・F・不二雄さんの子供達に夢を与えるような作品はいいなと思うんですよ。そこが僕の根幹にありますね。だから押井(守)監督にも代表作を1本くらい作って欲しいですね。攻殻機動隊、あれはまだ代表作を作るためのものであって代表作じゃないですよ(笑)

ジブリっていうのは、遠いけど近い存在だと思っている

【Q】I.G以外の作品で影響を受けた作品はなんですか?

【A】宮崎(駿)さんの『風の谷のナウシカ』に僕意外にも泣いたんですよ。それを思ったときに、ジブリっていうのは、僕の中で遠いけど近い存在だと思っている。良い関係だと思う。

実写の中でずっと三池(崇史)さんの作品が気になっていて。実写の作品を見て、ゾクゾクとしたんですよ。『オーディション』という作品なのですが、映像美とテンポとカット割りの良さはすごいなと思った。業界は違うけど意識はしていました。ずっと三池監督のことを追ってたんです。それから三池さんはあっという間に売れるようになってしまった。

でもビジョンさえあればそういう付き合いたい人と付き合えるんですよ。三池さんと付き合いたい一心で企画を立ち上げる。I.G初の実写の特撮ドラマ『『ケータイ捜査官7』で監督とお仕事をご一緒させていただきました。それでこの劇的3時間SHOWが決まって、三池さんにお声をかけたら快諾してくれた。そういう人間関係を築けた。それで三池監督に劇的3時間SHOWのゲストとして出演していただくことになりました

(C)WiZ・Production I.G・バディ携帯プロジェクトLLP/テレビ東京(画像の無断転載禁止)
©WiZ・Production I.G・バディ携帯プロジェクトLLP/テレビ東京

【Q】最後に3年後の代表作となる作品について…もう少しお聞かせいただけないでしょうか?

【A】「それは…言いたいけど言えないね(笑)。劇的3時間SHOWには出ますけど」

うわ、I.Gの石川社長と三池監督の対談って面白そうですね。次回作のお話もぜひ聞いてみたいところです。実は、このインタビューは第2回目も用意されているのですが……。まずはその前に劇的3時間SHOWでお話の続きを聞きましょう!

(withD特派員 中路真紀)

関連リンク

劇的3時間SHOW
プロダクション I.G
スカイ・クロラ The Sky Crawlers
GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊
ガブリエルの憂鬱 ~押井守公式サイト~
スタジオジブリ
ケータイ捜査官7

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